
世はまさに「アクション映画戦国時代」………
世界中の映画ファンから愛され続ける、古今東西の様々なアクション映画。愛するものを救うため、あるいは復讐のため、数々の主人公たちが数多の敵たちを打ち倒してきた。
例えどんな困難な状況に陥ろうとも、彼らは不屈の精神と屈強な肉体、そして卓越したスキルを以てして打開してきたのである。
だがここで疑問が残る………果たして誰が最も強い主人公なのかと。スパイに殺し屋、警官に元兵士、あるいはただの流浪人など種類は様々であるが、最も優れた実力を持つ者とは一体誰なのか。
今回は著名なハリウッドのアクション映画から主人公たちを10人抜粋し、その中からランキング付けしていく。
とはいえ何かとルールを決めなければランキングが極端に偏ってしまうので、以下の条件をもとに順位を決めていく。
評価基準①「俳優1人につきキャラクター1人まで」
例えば俳優AがキャラクターAを演じているとしたら、他の作品における俳優Aが演じるキャラクターBは除外。基本的に俳優1人につき、その人が演じるキャラクターは1人までとする。
評価基準②「1作品からのみ選出」
作品Aにおいて主人公Aと主人公Bが存在し、尚且つどちらも同等の実力を持っている場合はどちらか片方を除外する。同じ作品から2人選出することはない。
評価基準③「超人的な能力を持つキャラクターは除外」
ヒーロー映画やSF映画に登場する超能力を持ったキャラクターは省く。ただただ身体能力が高いだけ、または普通の人間の肉体で戦っている場合ももれなく除外する。
10位 - " Yippee-ki-yay, motherfuxxer! "
https://eiga.com/movie/46445/
ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)
『ダイ・ハード』シリーズより
アクション映画の金字塔とも呼ばれる『ダイ・ハード』シリーズの主人公。演じたのはブルース・ウィリスであり、今作のダイ・ヒットを起点にウィリスは世界的スターへと躍進した。
NY市警の刑事であるが、妻と別居しているなど順風満帆な人生を送っているとは言い難い人物。しかしながら微かな証拠から確信を得る洞察力や判断力、唐突な銃撃戦にも対応できるなど敏腕刑事としての腕前は申し分ない。
なのだが兎にも角にもマクレーンは「運が悪い」。1作目では関係が悪化気味な妻のためにロスへ飛んだのにも関わらず、全く無関係のビル立てこもり事件に出くわしてしまう。
こうした彼のツイてなさは、2作目では空港ハイジャック、3作目では街中のテロを偶然知り合った男と共に止めに奔走するなどして顕著に現れており、総じてこれもまた『ダイ・ハード』シリーズの魅力となっている。
アクション映画の主人公として十分な実力は持っているものの、たまたま運が良かっただけ(所謂ご都合主義的なやつ)だったり、性格も所々荒っぽく現に妻とは別居しているなど、所々何かと足りていない部分が見受けられる。
だが決して完璧でなく、弱いところも併せ持つ主人公というのはいつだって数多くの観客たちを魅了してきた。このジョン・マクレーンという男も、今や何万人もの人々に愛されているのだ。
9位 - 「狂気に取りつかれたのは、俺なのか、それとも世界か」
https://eiga.com/movie/78097/gallery/
マックス・ロカタンスキー(トム・ハーディ)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』より
荒廃した近未来の世界をただ1人、愛車「V8インターセプター」に乗り無限の大地を彷徨う男、その名もマックス・ロカタンスキー。
ジョージ・ミラー監督作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場する主人公。『インセプション』『ヴェノム』のトム・ハーディが演じた。
そもそも『マッドマックス』という作品は、既にジョージ・ミラー監督の手によって1979年に公開されており、その作品でもマックス・ロカタンスキーが登場するが、演じたのは『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソン。
ではなぜこの『〜怒りのデス・ロード』のマックスを採用したのかというと、それは荒野に1人生きる男としての力強さ、そして純粋な戦闘力の高さである。
物語序盤で敵に捕まり、輸血袋として車に括り付けられるなど中々に散々な目に遭うのだが、紆余曲折あって女将軍フュリオサと共に行動することになる。
数々の死線を超えてきたことにより精神が荒んではいるものの、こちらへ襲いかかってきた戦車を単独で迎撃するなど、まさに一匹狼と呼ぶべき強さを誇っている。
ちなみに先述したメル・ギブソン扮するマックスとは別人だと考えられていたが、本作の前日譚を描いた小説にて同一人物であることが示唆されている。
選出のルール上トム・ハーディが演じている方のマックスをランキングに挙げたが、この説が正しいのならばメル・ギブソンの方もランクインしても良いかもしれない。
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8位 - 「何も終わっちゃいないんだ!!」
https://eiga.com/movie/50609/gallery/2/
ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)
『ランボー』シリーズより
ベトナム戦争から帰還した兵士、ジョン・ランボー。演じたのはシルヴェスター・スタローン、『ロッキー』のロッキー・バルボアと肩を並べるほど世界的に著名な役柄となった。
激戦区であったベトナム戦争から生還したほどの腕前は計り知れなく、山やジャングルの中であればゲリラ戦でランボーに勝てるものはいないほど強い。
銃撃戦はもちろんのこと、木に擬態し奇襲を仕掛けたり、はたまた一撃で致命傷を追わせるほどの殺傷力を持つトラップを「即席で」作ることができるなど、数々の戦況に対する高い適応力を持つ。
このように一見すると戦闘のスペシャリストのように見えるが、その裏にはベトナム戦争による心の傷を負っている。
1作目ではベトナム戦争から帰還したが、戦友はほぼ全員戦死し帰国してもバッシングを受け、挙げ句の果てには訪れた街から浮浪者と疑われ監禁されるなど散々な扱いを受けている。
国に命をささげる想いで勇敢に戦ったのにも関わらず、不当な扱いをする国に対しランボーは怒りの声をあげる………「俺の戦争はまだ終わっちゃいないんだ」と。
アクション映画らしい完全無敵ともいえる戦闘力を持ち、同時に戦争がもたらす悲哀をも兼ね備える、それがこのランボーという男なのである。
7位 - "My Name is......"
https://eiga.com/movie/33783/gallery/
ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)
『007』シリーズより
イギリスの諜報機関「MI6」に所属するエージェント。演じたのはダニエル・クレイグ、歴代のジェームズ・ボンドの中で「6代目ボンド」となる。
1962年に公開された『007/ドクター・ノオ』にてボンドを演じたショーン・コネリーから始まり、ロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンなど様々な俳優に受け継がれてきたジェームズ・ボンドという役。
5代目ボンドであるピアースが引退したことで、次なるボンドは一体誰になるのか………そうして全世界からの期待が寄せられる中キャスティングが決定したダニエル・クレイグだが、発表当初は批判が殺到した。
主な理由としては今までの映画作品のボンドのイメージ(黒髪かつ長身)と、ダニエルの容姿(金髪かつ小柄)が一致していなかったことに由来する。
不安が募る中、ダニエルがボンドを演じた最初の作品『〜カジノ・ロワイヤル』では、原作の寡黙かつタフなボンドを忠実に演じたとして高い評価を得ることに成功。「ショーン・コネリー以来の最高のボンド」だとして絶賛された。
そして今回のランキングにて、数あるボンドを演じた俳優たちの中からダニエルを選んだ理由として、彼が歴代ジェームズ・ボンドの中で最も優れている可能性があるからに他ならない。
無傷とまではいかずとも多対一で敵を倒すことができる身体的な強さ。どんな過酷な拷問にも耐えうる精神的な強さ。そして超高度な心理戦を切り抜けるほどの頭脳的な強さ。
他の俳優が演じたボンドも十分強いが、これら3つの要素がバランスよく備わっているという点では、間違いなくダニエル扮するボンドが歴代最強といえるだろう。
6位 - "Mission Accomplished."
https://eiga.com/movie/33500/
イーサン・ハント(トム・クルーズ)
『ミッション:インポッシブル』シリーズより
『007』に匹敵するほどのスパイアクションシリーズである『ミッション:インポッシブル』シリーズの主人公。演じたのはアクション俳優として名高いトム・クルーズ。
タイトルにもあるように、彼に降りかかる「ミッション」とはどれも困難を極め、その難易度はもはや「不可能」の域に達していると呼べるものたちばかり。
だが「IMF(Impossible Mission Force)」に所属するイーサンは、ありとあらゆる手を駆使してこれらのミッションを必ず達成する。
これを可能とするのは、イーサンに備わったスパイとしての圧倒的な技術力とセンスに由来する。近接格闘、銃撃戦、または変装や潜入など、あらゆる分野に精通している。
どんなに秘匿された情報でも、どんなに謎に満ちた人物が陰に潜んでいようとも、裏を掻い潜って必ず突き止めることができる。彼に「不可能」という二文字はもはや存在しないといえる。
そしてミッションを成功へ導くためなら、どんな危険を冒してでも思い切った行動に踏み切る。生身で崖から飛び降りる、生身で飛行機にしがみつくなど、どの行動も無茶ぶりなんて言葉では言い表せない。
そしてこれらのアクションを「本人が」「実際に」やってるのだからまた凄い。最早イかれているとしか言いようがないよトム・クルーズ………
だがそんなイーサンにも、唯一の弱点と呼べるところがある。それは、彼が病的なまでに仲間思いであることだ。
どのミッションにも、メンバーのいずれかが命を落としてしまう可能性は捨てきれない。IMFは例えエージェントが死亡したとしても一切関知しないという方針を取っているため、必然的に仲間を見捨てるという選択肢が生まれてしまう。
しかしイーサンは決して仲間を見捨てない。その選択がミッションの成功率に大きく関わることだったとしても、彼は仲間を救う選択を常に選ぶ。
時にそれが完全無欠のイーサンの数少ない弱みと成り得るが、そういった選択を選んだ上で結果的にミッションを成功へと導いている。まさに名実ともに名高い「世界最高のスパイ」と言える。
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