シリーズ解説

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)フェーズ2を一挙解説!!

2024年9月30日

「フェーズ1」の記事はこちらから

「フェーズ2」とは

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)における作品(2008年公開『アイアンマン』〜2012年公開『アベンジャーズ』)までの作品をフェーズ1と呼称するように、

2013年公開『アイアンマン3』〜2016年公開『アントマン』までの作品たちを、公式及びファンたちの間では「フェーズ2」と呼称している。

『アイアンマン』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ』などの続編や、アントマンにガーディアンズら新たなるヒーローたちの登場など、フェーズ1から大幅な進化を遂げているのが特徴だ。後から読んで思ったが、ここ情報量薄過ぎやしないか。笑

鋼鉄の、最期。『アイアンマン3』

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『アイアンマン3』

("Iron Man 3")

あらすじ

NYでのチタウリの大群との激闘を終え、以降スーツの開発に日々明け暮れていたトニー・スターク/アイアンマン

ミサイルを宇宙に運び込むなどしてNYを壊滅の危機から救ったトニーだったが、その時に体験した臨死体験が忘れられず、不眠症になるなど大きなトラウマを抱えていた。

加えてずっと自宅に引きこもり、スーツをマーク42まで開発するなどして没頭しすぎるあまり、スーツを着なければパニックを起こしてしまうスーツ依存症にもなっていた。

そんな満身創痍な状態のトニーの元に届いたのは、かつて自分を拉致したテロ組織「テン・リングス」が爆発テロを起こしたと報じられたニュース番組。

テン・リングスが開発したと思しき爆発物が爆発し、トニーの側近であるハッピー・ホーガンが重傷を負ったという知らせを聞くトニーは、自宅の住所を公に公開し宣戦布告を行う。

組織を率いるマンダリンは、宣戦布告に乗じてトニーの自宅をヘリで襲撃。崩れゆく豪邸の中、トニーはマーク42を駆使して自宅にいたペッパーたちを救い出し、自身もスーツを使って難を逃れることに成功する。

スーツの動力切れにより、テネシー州の田舎町に不時着したトニーは、偶然そこで出会った少年・ハーレーと出会う。

スーツも富も、全てを失ったトニーは、ハーレーと協力し、自身を襲った陰謀の真相を暴いていくことに。

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作品概要

フェーズ1に続き、フェーズ2の幕開けを飾ったのはやはり、MCUの看板ヒーローともいうべき存在「アイアンマン」。

ロバート・ダウニー・Jrが引き続き主演を務め、監督はジョン・ファヴローが降板しシェーン・ブラックが新たに就任した。

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日本語版のキャッチコピーが「さらば、アイアンマン」であるように、アイアンマンの最後の戦い、という部分がやたらと強調されている今作。

あらすじにもあるように、劇中にてトニーが様々なスーツを生み出してきた自宅が完全に崩壊。それに応じて、トニーが今までの作品で愛用していた歴代のスーツたちも全て破壊されてしまう。

そうして手に残ったのは、未だ試作段階のマーク42のみ。遠隔でスーツを装着するという今までにない機能が備わっているが、プロトタイプである為か性能は不十分

加えてトニーはスーツを着なくては生活ができないスーツ依存症状態。とどのつまりテン・リングスに拉致された時と同じぐらい、或いはそれ以上にピンチとなっている。

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だがしかし、スーツがなくては戦えない、それはつまりスーツがなければトニー・スタークはアイアンマンになれない、ということの証明にもなってしまう。

故に今作では、極力スーツを使わず己の力のみで窮地を脱していく、今までにないようなトニー・スタークを見ることができる。

考えてもみれば、彼は資源の限られた洞窟の中でアーク・リアクター、そしてマーク1のスーツを開発してみせた、文字通りの「天才」である。

アイアンマンとして、或いは世界を守るヒーローとして、耐え難き喪失を経験、そして乗り越えたスターク。

アイアンマンとしての「終わり」、そして「真の始まり」。鋼鉄のヒーローの活躍は、まだまだ続く………

闇の、始まり。『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』

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『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』

("Thor: The Dark World")

あらすじ

闇の時代に生まれ、霜の巨人と同様アスガルドと敵対した一族、ダークエルフ

一族の長であるマレキスは、強大なるパワーを宿した物質・エーテルを用い、全宇宙を暗闇に閉じ込めようと画策するが、オーディン率いるアスガルド軍にその野望は打ち砕かれた。

ダークエルフはどこかに消え去り、残されたエーテルはアスガルドの地下深くに封印され、そのまま長い年月が過ぎ去った。

時は流れ、現在。惑星直列の影響で、世界と世界の境界線が曖昧になった摩訶不思議な現象を目撃したジェーン・フォスターは、不意にアスガルドの地下に足を踏み入れてしまう。

ジェーンが触れてしまったことで目覚めたエーテルは、ジェーンの体内に侵入。時を同じくして、エーテルの動きを感知したダークエルフも目を覚ましてしまう。

再びエーテルを手にし、全宇宙の支配を目論むダークエルフは、ジェーンを狙ってアスガルドを、そして地球を襲撃し始める。

アスガルドの王子であるソーは、未曾有の脅威に対抗すべく、不本意ながらも「ある策」を思いつく。

それは、チタウリを率いて地球を滅亡の危機に陥れた、ソーのであるロキを解放し、味方につけることだった………

https://eiga.com/movie/77785/gallery/

作品概要

『アイアンマン』の続編と来て、次なるヒーローの続編を紡ぐは『マイティ・ソー』。アスガルドの雷神様の再臨だ。

クリス・ヘムズワースナタリー・ポートマントム・ヒドルストンらは続投し、監督には後に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』を手がけるアラン・テイラーが就任した。

前作はロキがアスガルドを乗っ取ろうと画策する、といういわば内戦のような状態に留まっていたが、今作ではヴィランやストーリーが一気にスケールアップ

またそれに加え、アクション要素も順当にパワーアップ。ソーが相変わらずハンマー片手に大暴れしているのはもちろんのこと、中盤では『スター・ウォーズ』よろしく宇宙船によるドッグファイトが繰り広げられる。

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………さて今作『〜ダーク・ワールド』、MCUファンからは珍しく「微妙」という評価をつけられてしまっているのはご存知だろうか。

同じく評価が芳しくない作品で言うとフェーズ1の『インクレディブル・ハルク』が記憶に新しいが、今作はMCUの世界観に深く関わる作品となっている。

つまり「評価が微妙なら観なくても大丈夫なのでは!?」というのが難しくなっているのだ。まぁ最初から全作品観て欲しいのが正直な本音だが………

評価が低めな理由として「ヴィランの存在感がない」「ラストの畳み方が雑」など、様々な意見が挙げられている。実際に観てみても、思い当たる節があったり無かったり。

しかし前述したように、今作ならではの魅力もまたたっぷりなのも事実。悪いところばかりでなく、良いところにも目を向けた方が映画はより楽しめることだろう。

「盾」の、崩壊。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

("Captain America: The Winter Soldier")

あらすじ

数十年の時を経て現代に復活した伝説の英雄、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース

アベンジャーズと共にロキ率いるチタウリの軍団を退けた後、ニック・フューリー長官率いる組織・S.H.I.E.L.D.と共に任務をこなしていた。

ある日、いつものように任務を遂行している最中、同じS.H.I.E.L.D.所属のスパイであるブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフと鉢合わせる。

ニックから極秘の指令を受けたと語るナターシャに、若干の不安を抱くスティーブ。だがそんな嫌な予感は的中し、ニック・フューリーは自宅にて謎の特殊部隊からの襲撃を受ける。

「ウィンター・ソルジャー」と呼ばれる謎の傭兵率いる部隊から致命傷を受けたニックは、スティーブにこう告げる………「S.H.I.E.L.D.が危ない」と。

組織の裏に隠された謎の陰謀を探るべく、ナターシャと共に極秘で調査を開始するスティーブ。だがニックに向けられた歯牙は当然スティーブらにも向けられ、ウィンター・ソルジャーと戦うことに。

死闘の末、遂に謎に包まれたウィンター・ソルジャーの正体が明かされることに。だがそこには、伝説の英雄を以てしてでも耐え難き「真実」が隠されていた………

https://eiga.com/movie/77787/gallery/

作品概要

「アベンジャーズ」のリーダー的存在、文字通り「正義」に燃える男、キャプテン・アメリカからも続編が登場。

主演であるクリス・エヴァンスは引き続き続投、また『アベンジャーズ』の後のストーリーであるため、サミュエル・L・ジャクソンスカーレット・ヨハンソンも出演した。

そして監督を務めたのはアンソニー・ルッソジョー・ルッソ(通称「ルッソ兄弟」)の2人。後に『〜インフィニティ・ウォー』『〜エンドゲーム』の監督を務める、MCUのレジェンドだ。

前作は戦時中を舞台としたストーリーだったが、今作では現代が舞台。時代なんて関係ないと言わんばかりに敵を蹴散らすキャップの姿はいつになく爽快だ。

また今作から、キャップの右腕的な存在であるヒーロー、ファルコン/サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)が登場。後のシリーズにも度々登場するキャラクターだ。

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アメコミ映画史に名を残す、数々の名作・傑作を生み出してきたMCU。中でも今作『〜ウィンター・ソルジャー』は「アメコミ映画史上最高のアクション映画」として非常に高い評価を得ている。

その理由とは単純明快、キャップの地に足がついた正統派なアクションである。「フェーズ1」の記事でも述べたように、盾と身体能力の二つのみで戦うのがキャップの戦闘スタイルの特徴だ。

地を駆け、銃弾を盾で弾き、敵を颯爽と薙ぎ倒していく。ごくシンプルな戦い方だからこそ「アクション映画」としての高評価に繋がったと言える。

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前作にてキャップらを窮地へと陥れた秘密組織「ヒドラ」。今作ではその残党が、なんとS.H.I.E.L.D.に紛れ込んでしまっているという衝撃的な展開が繰り広げられる。

誰が味方で、誰が敵なのか分からない………「自分以外誰も信用するな」という言葉通り、謎が謎を呼ぶ、一種のサスペンス映画的な演出も見て取れる。

「フェーズ2」で一番面白かった作品は何かと聞かれ、今作を挙げる人も少なくない。アメコミ映画に旋風を巻き起こした、文字通りの衝撃的超大作だ。

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