
『アバター』シリーズとは
これまでの映画の歴史において、様々な壮大なるSF映画が制作されてきた。それは宇宙人との戦いや交流であったり、あまりにも広大すぎる宇宙を旅する物語であったり、仮想世界にて自由を取り戻す物語であったりと様々だ。
そしていくつかの作品では、舞台が地球ではなくどこかの別の惑星であることもある。アニメーション映画では常套句とも言えるが、実写映画となるとその再現はやはり困難を極める。
そんな中、架空の惑星を最先端の映像技術を用いて徹底的に再現することに成功し、尚且つ世界的にも凄まじい人気を博した映画シリーズが存在する。それこそが『アバター』シリーズである。
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『ターミネーター』や『タイタニック』など、ハリウッドを語る上で欠かせない名作を監督として手がけ、尚且つマリアナ海溝のチャレンジャー海淵へ単身で到達した探検家でもあるジェームズ・キャメロンがシリーズ全体を通しての監督・脚本・製作を務める。
2009年に1作目が公開され世界中で大ヒット、それまで全世界興行収入ランキング1位をキープしていた同監督作である『タイタニック』を抜き去り1位となった。
2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』が一時期『アバター』の興行成績を抜いたが、中国で再上映が行われたことにより再び1位の座へと返り咲いた。
その後、約13年もの時を経て続編『〜ウェイ・オブ・ウォーター』が公開。こちらも全世界で大ヒットし、興行成績においても『〜エンドゲーム』に次ぐ第3位を記録している。
この『アバター』シリーズは全部で5作品が構想されており、2025年には3作目である『〜ファイヤー・アンド・アッシュ』が、2029年には4作目、2031年には5作目が公開される予定とのこと。
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なぜこれほどまでに世界的な人気を博すに至ったのか、まず第一に挙げられるのが「パフォーマンスキャプチャー」である。俳優やスタントマンの動きをコンピュータ上で読み込む「モーションキャプチャー」がさらに進化した手法である。
このパフォーマンスキャプチャーでは、俳優の動きだけでなく表情も緻密に読み取ることができる。これにより、惑星パンドラの原住民であるナヴィの動きや表情まで細かく描写することが可能になった。
また、パンドラの雄大な光景は全てフルCGで制作されている。一部のシーンは実際に現場でセットを組み立てて撮影したとされているが、空も大地も生物たちも、全て卓越したCG技術によって作られた。
さらにキャメロンは、独自に「バーチャルカメラ」というシステムを導入。事前に作られたCG空間に、俳優の演技を実際に落とし込んだ状態でプレビューできるというものである。
これらの手法は現在の映画制作ではごく当たり前に取り入れられているものだが、2009年当時では文字通り「革命」と称され後の映像技術の発展に大いに貢献した。
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また世界観のこだわりも凄まじく、特にナヴィたちは独自の言語である「ナヴィ語」で会話を交わす。当然ながら本作オリジナルの言語であり、発音が難しくなりすぎないようにしたり、一貫した文法を持つなど工夫が施されている。
ナヴィの造形においても、観客から親しみを持てるように人間的なフォルムを持ち合わせつつも異星人らしい特色を兼ね備えている(青い肌、3mほどの長身、しなやかな身体など)。
と、このように並大抵のSF映画では成し得ないほど仔細な作り込みが施されている。こうした技術革新が、シリーズを成功に導いたと言っても過言ではないだろう。
実際の作中ではこのパンドラという星を舞台にどんな物語が繰り広げられるのか。これから紹介していこうと思う。
体験せよ、究極の「世界」を。『アバター』
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『アバター』
("Avatar")
あらすじ
戦闘で脊髄を負傷し、下半身付随となっていた海兵隊員のジェイク・サリーは、未開拓の惑星であるパンドラの衛星軌道上にて、6年間ものコールドスリープから目覚める。
地球は資源が枯渇しつつあり、そこで人類は希少鉱物「アンオブタニウム」が地下に眠るパンドラに目をつけた。だがパンドラには原住民のナヴィが住んでおり、人類を「スカイ・ピープル」と呼び蔑むナヴィたちはアンオブタニウムの採掘を許さなかった。
人類はなんとか説得に応じてくれるよう試行錯誤していたが、長年もの間交渉は一向に進まず。やがて一部の人たちの間では、ナヴィを武力行使で無理矢理追い払うという強行手段に出る考えが強まっていた。
ジェイクの兄はナヴィと接触を図るための計画である「アバター計画」の参加者だったが、不慮の事故で死亡。ジェイクは兄とDNAが一致しておりアバターへの適性が高く、足の治療費を稼ぐべく作戦に参加したのだった。
アバター計画の責任者であるグレース博士のもとで、早速精神をアバターと接続させるジェイク。五体満足の肉体を手に入れたジェイクはパンドラの森の調査を開始するが、そこで運悪くパンドラの原生生物に襲われてしまう。
そんなジェイクを助けたのは、森に住むナヴィの部族「オマティカヤ族」の戦士にして族長の娘であるネイティリ。度々森にやってくる人間のアバターたちとは違うものをジェイクから感じ取ったネイティリは、彼をオマティカヤ族の集落へ連れていく。
かくしてネイティリが付き添うという条件のもと、オマティカヤ族の一員として過ごすことになったジェイク。やがて彼は、パンドラという惑星における雄大な自然、そして「エイワ」という名の神と密接な関係にあるナヴィたちの文化と生き様を知っていくことになる………
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作品概要
シリーズ1作目にして、映画の長い歴史を根底から覆した超大作。『ターミネーター』『エイリアン2』そして『タイタニック』と、数々の超大作を手掛けたジェームズ・キャメロンが監督・脚本・編集を担当した。
『ターミネーター4』のサム・ワーシントンが主演を務め、『エイリアン』シリーズのシガニー・ウィーバー、『ワイルド・スピード』のミシェル・ロドリゲスが共演。
同年に公開された、J・J・エイブラハム監督作『スタートレック』にも出演したゾーイ・サルダナが、ヒロインのネイティリを演じて一躍話題となった。
先述した通り、全世界映画興行収入ランキングにおいて1位に躍り出るほどの特大ヒットを記録し、同時に当時としては最先端の映像表現も評価されアカデミー賞では美術賞・撮影賞・視覚効果賞を受賞した。
またキャメロンは『タイタニック』と今作、そしてその続編である『~ウェイ・オブ・ウォーター』にてそれぞれ全世界興行収入1位、3位、4位の記録を叩き出している。彼こそ、まさしく「ヒットメーカー」という言葉に相応しいクリエイターと言えるだろう。
パフォーマンスキャプチャーによって描かれるナヴィたちの姿、全編フルCGで描かれる雄大なパンドラの景色、そして徹底した世界観の構築。ここまで細部にまで工夫を凝らした作品は、後にも先にも今作が唯一無二であり続けると考えられる。
ピーター・ジャクソン監督による『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも中々の出来だが、あちらはJ・R・R・トールキンの小説を原作としているのに対し今作はキャメロンによる完全オリジナル脚本である。
また、今作のみならずシリーズを通して描かれるのが「人類とナヴィの対立」である。SF映画では大抵が人類が侵略者に立ち向かっていくという筋書きだが、今作は人類がナヴィにとっての侵略者という立ち位置で登場する。
物語開始時点で人類がパンドラへ足を踏み入れてからかなりの年月が経過しており、ナヴィ側も人類を「スカイ・ピープル」として認識していたり、文化の交流という目的でナヴィのための学校を開いていたりとそれなりに適応している。
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だがあらすじでも述べたように人類側の提案にナヴィは全く関心を見せておらず、故に人類は武力行使で強制的にナヴィを従わせようと計画。ジェイクが参加した「アバター計画」も、部族の仲間として紛れ込んで情報を持ち帰り、人類側が優勢となるよう発案されたものだった。
そもそも、人類がパンドラにやってきた理由とは「地球の資源枯渇」によるもの。とどのつまり、このまま人類が侵略を進めていけばパンドラが第二の地球となる可能性は十分にあり得るのだ。
劇中における人類がナヴィへ行った行為はどれも非人道的であり、特にオマティカヤ族の集落を焼き払うシーンは悲惨極まりない。
とはいえどジェイクやグレースなどはナヴィに理解を示しており、ミシェル・ロドリゲス扮するトゥルーディのようにナヴィ側に加勢する登場人物も一定数存在する。
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しかしながら今作のヴィランであるクオリッチをはじめほとんどの人間はナヴィをただの野蛮な原住民としか捉えておらず、最終的に終盤では人類vsナヴィの戦いが繰り広げられることになる。
利益のためだけに土地を身勝手に侵略していく様は、かつてのアメリカ大陸の西部開拓時代と酷似している。どれだけ時が経ち技術が発展しても、人間たちのどす黒い本性は変わらないということなのだろうか。
当初はただの人間としてパンドラへやってきたジェイクは、ネイティリもといオマティカヤ族の文化や在り方を通じて徐々にナヴィの生活へと順応していく。
人間として戦うか、ナヴィとして戦うか。2つの陣営に身を置く彼が下す決断は、作中において最も重要な部分と言えるだろう。
飛び込もう、全ての「源」へ。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
("Avatar: The Way of Water")
あらすじ
オマティカヤ族、そしてジェイク・サリーの尽力により、人類をパンドラから追い出すことに成功したナヴィたち。ジェイクは人間の身体を捨て、ナヴィとして生きることを選んだ。
ネイティリとの間に3人の子供をもうけ、さらにグレースのアバターから産まれたキリを養子として迎え「サリー家」として幸せな日々を過ごしていた。
だがその幸せな日々はやがて終わりを告げる。十数年前にパンドラから退けたはずの人類が戻ってきたのだ。いよいよ地球が滅亡の危機に瀕し、人類はパンドラを本格的に植民地として支配しようと侵攻を開始。
宇宙船に乗りやって来た人類たちの手によって森は焼き払われ、二度も故郷を滅ぼされたオマティカヤ族は、ジェイクの指揮のもと人類へ再び戦いを挑むことになる。
ある日、戦いの最中にて、ジェイクの子供たちは人類が送り出したアバターたちに遭遇する。彼らは戦死した軍人たちの記憶をもとにアバターを造り出す「リコン計画」によって生み出されたものたちであり、その中にはジェイクの仇敵とも呼べるクオリッチのアバターもいた。
結果的に子供たちは逃げることに成功するが、彼らと仲のいい人間の子供であるスパイダーが誘拐されてしまう。彼はクオリッチの隠し子であり、地球でなくパンドラにて誕生した子供だった。
スパイダーから情報が漏れることを危険視したジェイクは、家族と共にオマティカヤ族のもとを去ることを決意。長い旅路の末、彼らは海と共に生きるナヴィの部族「メトカイナ族」のもとを訪れる。
メトカイナ族の文化を学び、部族の一員になることを条件に身を寄せることを許されたサリー家。当初は人間との混血であることを理由に蔑まれていたが、やがて彼らはメトカイナ族が重視する「水の道」を知ることになる。
一方、スパイダーの協力のもとジェイクの足跡を追っていたクオリッチたちは、サリー家が海の部族のもとに身を隠していることを突き止める。美しく広大な海に、人類の侵略の手が迫ろうとしていた………
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作品概要
約13年もの時を経て制作されたシリーズ2作目。1作目と同様、ジェームズ・キャメロンが監督・脚本を担当している。サム・ワーシントンが主演を務め、ゾーイ・サルダナも続投。
前作で人間のグレース博士を演じたシガニー・ウィーバーは、グレースのアバターから誕生した子「キリ」を演じている。また『タイタニック』でヒロインのローズを演じたケイト・ウィンスレットも出演した。
「世界で最も売れた映画」の、およそ10年ぶりの続編ということで大きな注目を集め、公開されるや否や瞬く間にヒット。全世界映画興行収入ランキングにおいて『アバター』、『アベンジャーズ:エンドゲーム』に次ぐ第3位を記録した。
公開当時は世界各国で週間ランキング1位を獲得したが、日本ではちょうどその頃に『THE FIRST SLAM DUNK』が公開されていた影響で「世界で唯一の」ランキング2位を記録しており話題になった。
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当時としては破格ともいえる映像表現で世界中を虜にした『アバター』。そこから長い年月が経ち、映像技術は更なる進化を遂げた。今作にてそれが最大限に活かされているのが「水」の表現である。
今作の主な舞台が「海」であることもあり、作中では登場人物たちがパンドラの海へと潜り、自然豊かな光景を体験するシーンが多々存在する。
出演俳優やスーツアクターたちに実際に潜水させ撮影を行った他、CGを用いて海を表現。ただ建築物やキャラクターたちをCGで表現するのと異なり、水そのものをCGで表現するのは困難を極める。
前作から十数年が経過してもなお「究極の映像体験」を追求するべく進歩し続ける製作陣。これが功を奏して、第95回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞した。
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また監督のジェームズ・キャメロンは、2012年にマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(世界で最も深いとされる深海)へ、史上初となる「単独」での到達に成功するという記録を樹立している。前人未到の「海の世界」を直接目にした彼だからこそ、海の表現には特に注力していたに違いない。
そしてストーリーのテーマとして「雄大なるパンドラの世界」を前作から引き継ぎつつ、新たに「家族の絆」が加わった。ナヴィとして人生を歩み始めることになったジェイクは、ここ十数年の間で愛すべき家族を手に入れた。
だが人間たちとの戦いが苛烈になっていくにつれ、家族が命の危険に晒されることも増えてきた。故にジェイクは、ただのナヴィではなく家族を守る「父」として再び戦火の渦中へ飛び込んでいくことになる。
前作とは全く異なるアプローチの仕方ではあるが、やはり「家族」というのはいつだって物語に温もりと団結力を与えてくれる。
神秘に満ちた海の世界と、いつまでも共にある為に奮闘する家族。十数年の時を経て進化を遂げた、全く新しい『アバター』、もといパンドラの物語がここにあるのだ。
戦おう、この星の為に。『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
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『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
("Avatar: Fire and Ash")
あらすじ
メトカイナ族、そして愛する家族と共に人類を退けたジェイク。だが母のネイティリや次男のロアクは、長男のネテヤムが戦いの最中で命を落としたことに悲嘆に暮れていた。
家族と共に逃げれば人類はどこまでもジェイクたちを追い続け、逆に家族と共に戦えば命の危険に晒される。ジェイクは一家の父親として、どのような決断を下すべきなのか意を決することができずにいた。
その頃、メトカイナ族のもとへ「風の部族」ことタウカミ族が交易のために現れた。どこの勢力にも属さない「中立」の部族としてパンドラ中を巡る彼らに、ジェイクは自分たちの家族を乗せていって欲しいと頼み込む。
だがそこへ現れたのは、盗賊として他部族からの略奪を行う「灰の部族」ことアッシュ族。アッシュ族の襲撃によりタウカミ族の飛行船は墜落し、サリー家は再び散り散りになってしまう。
ロアクの先導のもと、ジェイクやネイティリと合流しようとするキリ、トゥク、そしてスパイダー。しかしながらスパイダーは人間でありマスクなしではパンドラ上で呼吸することができず、逃走を続けているうちにマスクが機能停止状態になってしまう。
そこでキリは、自らに備わった特殊な能力を用いてエイワと単独で交信し、スパイダーを復活させようと試みる。その結果、スパイダーの体内にパンドラの物質が流れ込んだことで環境に適応することに成功し、マスクなしでも呼吸できるようになった。
一方、仇敵であるジェイクや実の息子であるスパイダーを追っていたクオリッチは、スパイダーがマスクなしで呼吸できていることに気づく。スパイダーの身体構造を解析することができれば、やがて人類はパンドラにおいて更なる勢力拡大を図ることができる。
クオリッチは、アッシュ族の巫女にして指導者であるヴァランのもとへ単独で交渉に向かう。銃火器を差し出す代わりに人類と協力し、共にパンドラを侵略しようと提案するクオリッチの提案を受けたヴァランは、再びサリー家の追跡を開始する。
あろうことかナヴィを味方につけ、更なる力を得た人類。未曾有の危機に陥った家族、そしてパンドラという星そのものを救うべく、ジェイクは再び「トルーク・マクト」としてナヴィたちを導く存在となっていく………
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作品概要
シリーズ3作目。ジェームズ・キャメロンが監督・脚本・原案・製作及び編集を担当した。
サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、そしてスティーヴン・ラングらは引き続き続投、そして今作からの新たな悪役・ヴァランをウーナ・チャップリンが演じた。
前作『〜ウェイ・オブ・ウォーター』で世界を震撼させた「究極の映像体験」は今作でも健在。「陸」「海」「空」、そして副題にもあるように「炎」と、まさにパンドラの自然そのものを映像体験として味わうことができる。
また、これまで登場してきたナヴィはパンドラと共に生きる部族として描かれてきたが、今作にて新たに敵サイドのナヴィとして登場するアッシュ族は、無慈悲に故郷を火山によって奪われたことでパンドラを恨む部族として描かれている。
パンドラと共生することを拒み、ましてや味方でなく敵として戦うことになるナヴィ。シリーズを通してもかなり異質な存在であり、作品に新鮮味をもたらしていると言える。
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ストーリーに関して、今作でもサリー家の絆や団結力がメインに描かれる。とはいえ長男のネテヤムを喪ったことで、その雰囲気は和気藹々とはとても言い難い。
加えて、あらすじにもあるように人間であるスパイダーがナヴィとほぼ同等の身体を手に入れパンドラの環境に適応できるようになってしまったが故に、人類はジェイクだけでなくスパイダーも付け狙うようになってしまった。
ロアク、キリ、トゥクにとって、スパイダーは血が繋がっていなくとも大切な家族。だがスパイダーの存在が家族を脅かすとなると、ジェイクとネイティリは時に非情な決断を下さざるを得なくなってしまう。
前作が「家族の団結」をテーマとしているのなら、今作は「家族の在り方」をテーマとしていると言えるだろう。
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また今作では、シリーズ1作目『アバター』を彷彿とさせるような展開が用意されている。予告編にもあるようにジェイクが再び「トルーク・マクト」として戦うなど、胸熱さとある種の懐かしさを覚える人も多いはずだ。
3作目ということもあってかアクションシーンも迫力満点であり、特にシリーズお決まりの流れになりつつある人類との総力戦は、空と海が入り乱れるまさにこれまでのシリーズの総まとめのような豪華絢爛さを兼ね備えている。
1作目、2作目と比較すると若干話題性に欠けているような気もしなくはないが、それでも尚『アバター』シリーズとは世紀のエンタメ超大作シリーズであるという圧倒的存在感を、今作の公開によって再び世界中に知らしめたと言っても過言ではないだろう。
果たしてこれまでのシリーズと同様、今作もまた映画史に衝撃を与えることができるのか。今後公開されるであろう興行成績や評価を静かに見守っていくとしよう。
今後のシリーズ展開
既に公表されているように、2029年に『アバター4』、2031年に『アバター5』(どちらも仮題)の公開が決定している。長きにわたるナヴィと人類の戦いに、遂に終止符が打たれる………というようなストーリーになるのではないかと予想されているが、詳細は不明。
あるメディア曰く「ナヴィが地球へ赴き、人間社会に足を踏み入れる」という展開になるとも………真実か否かは、全てキャメロンのみぞが知る。
しかしながら、今後もシリーズが続いていくにあたって懸念される点として、まず第一にキャメロンの体力が持つかどうかとされている。彼曰くシリーズが完結するまで監督を続けていくとのことだが、彼は現在71歳、高齢者と呼んでも差し支えない年頃である。
クリント・イーストウッド並の長寿であれば問題ないだろうがシリーズ成功の鍵をキャメロンが握っている以上、『アバター』が今後も続いていくには彼が必要不可欠なのは最早言うまでもない。
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また作品制作にあたるコストも懸念点として挙げられる。最新作『〜ファイヤー・アンド・アッシュ』は既にハリウッドにおいてトップクラスの制作費を誇っているとされており、後続するタイトルもそれと同程度、或いはそれ以上のコストが嵩むと予想されている。
無論赤字となれば、シリーズの継続は困難となっていくのは間違いない。仮に最新作の『〜ファイヤー・アンド・アッシュ』が赤字になってしまえば、続編の制作は難しくなってしまうかもしれない。
加えて必ずスケジュール通りに公開されるとは限らないため、兎にも角にも現時点で明確な予測を立てるのは困難だ。良くも悪くも、全ては最新作のヒットにかかっていると言えるだろう。
一部のメディアでは『アバター4』のシーンの一部は既に撮影終了しており、最新作公開後に本格的な撮影に入る………とも報道されている。首を長くして、最新情報に期待しよう。
まとめ(あとがき)
ズバリ、珍しく投稿頻度が高いなと思ったでしょう。流石にこれほどまでの超大作シリーズの続編が公開されたとなりゃ急拵えでも書きますよ。私の脳内の情報が新鮮なうちに………
今時の映画では珍しく、どのタイトルも上映時間が3時間近いという凄まじいシリーズですが、かといって冗長に感じる部分がこれっぽっちも感じられないというのは流石キャメロンといった感じですよね。
そんなわけで2025年も終わりが近づいて参りました。例年通り、下半期のランキングにも着手していきたいところではあるのですが、何せリアルの方が年末だと言うのに多忙でして。映画館に行く時間が無いったら無い。
ジャッキー・チェン主演の『シャドウズ・エッジ』ていう映画が、アクション好きには必見(知人談)だというので這ってでも観に行きたい所存であります。個人的に『トワイライト・ウォリアーズ』並の神作の匂いがする。
と、いうわけで今回はこの辺で。これが今年最後の記事になると思いますので、皆様メリークリスマス&良いお年を。
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それではまた、次の映画にて。

















