⑤フィラデルフィアの英雄の、最後の愛の物語。『ロッキー5/最後のドラマ』
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『ロッキー5/最後のドラマ』
(”ROCKY Ⅴ”)
あらすじ
前作におけるイワン・ドラゴとの激闘の直後。辛くも勝利を手にしたロッキーだったが、試合の後に身体中が震え出してしまう。
長年に及ぶダメージが蓄積され、ロッキーの身体が限界を迎えたのだ。もう選手として活動できないと判断したロッキーは、遂に本当の引退を決意する。
しかしそこで、ロッキーの家計を管理していた会計士が不正を働き、破産。ロッキーが今まで積み上げてきた大金は、一夜のうちに全て消え失せてしまった。
結局、ロッキーとその家族たちは故郷であるフィラデルフィアへ戻ることに。ロッキーはそこで、かつてミッキーが経営していたボクシングジムでトレーナーを営むことになる。
やがて新鋭のトミー・ガンがジムを訪れ、ロッキーは彼の育成に夢中になる。ロッキーはトレーナーとしての第二の人生を確信していた。
一方、思春期に差し掛かったロッキーの息子であるロッキー・ジュニアは、家族をほったらかしトミーの育成に傾倒するロッキーに不信感を抱きつつあった………
作品解説
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シリーズ5作目にして『ロッキー』シリーズの(便宜上の)完結編。
『ロッキー』から『ロッキー4/炎の友情』までは選手として大活躍を見せてきたロッキーだったが、今作は打って変わってトレーナーとしての活躍を見せる。
故に、ロッキーは今作において一度もリングに上がり戦うことはない。果たしてそれで完結編で良いのかと疑いたくもなるが………
『〜最後のドラマ』というタイトル通り、今作はボクシング・アクションよりもロッキー一家を中心とした人間ドラマがメイン。
ジョン・G・アヴィルドセンが監督としてカムバックしていることから、今作は初代『ロッキー』へ原点回帰するかのようなシーンが多く見受けられる。
黒いハットとジャケットを身につけたロッキーの衣装、寂れたフィラデルフィアの風景。
シリーズも5作品目まで続き、初代『ロッキー』の公開から既に約14年もの歳月が経っている。
かの伝説の面影を、所かしこに感じられる………シリーズを締めくくるには、あまりにも「懐かしさ」に溢れすぎている作品と言えるだろう。
加えてロッキー自身の性格も、まるで昔に戻ったかのようだ。息子に不器用なりに接する、父親としてのロッキーは今までにない新鮮さがあると言える。
しかしながら今作、評価が非常〜〜〜に低い。前作の不評っぷりを大きく超え、シリーズ最低の興行収入を叩き出すに至っている。
こうした散々な結果を受けてか、数年後に再びスタローンが監督の元、本当の完結編となる続編が制作されることとなった。
筆者の私としても「これで最後にならなくてよかった………」と安堵するばかり。どうしちまったんだスタローン!!と思わず問いかけたくなる。
⑥伝説の最後。『ロッキー・ザ・ファイナル』
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『ロッキー・ザ・ファイナル』
("ROCKY BALBOA")
あらすじ
元ボクシング世界チャンピオン、ロッキー・バルボア。かつては無敵と謳われた彼だったが、今や長い年月が過ぎ老いた姿となっていた。
彼は故郷のフィラデルフィアにて、亡くなった妻エイドリアンを想いながら、小さなイタリアン・レストランを経営していた。
だが、前作では和解していた息子のロバートとは疎遠になり、義兄のポーリーには「過去を引きずるな」と叱責される始末。
その一方で、今も尚盛り上がりを見せているボクシング業界では、世界チャンピオンのメイソン・ディクソンの活躍に湧いていた。
その圧倒的な実力により快進撃を遂げるも、ほとんどの相手をスピードKOで倒してしまう為、観客からは人気を得られなかった。
そんなある日、TV番組のコーナーにてメイソンとロッキーが対戦するというバーチャル試合が組まれることとなる。
試合の結果はロッキーの勝利。評論家もロッキーを支持していたが、別の評論家は「時代遅れの男だ」と逆にロッキーを批判。
とうの昔に現役を退き、何十年もの間リングに上がることもなかったロッキー。だがその心の奥底には、かつての闘争心が燻らんとしていた………
作品解説
シリーズ6作目。前作から実に10年以上の時を経て、遂に『ロッキー』シリーズの本当の完結編が登場。
『〜炎の友情』ぶりに、監督・脚本・主演の全てをスタローンが担当。やはり締めはこの男でなければ。
ポーリー役のバート・ヤング、アポロとロッキーのトレーナーを務めたデューク役のトニー・バートンも続投。
スタローン含むこの3人が、シリーズ全6作に出演した唯一のキャストである。
エイドリアン役のタリア・シャイアも出演を熱望していたらしいが、スタローンは頑なに断ったそう。
前作からかなりの歳月が経っていることで、スタローンも還暦を迎える年齢に。劇中におけるロッキーも「老い」という存在にとても悩まされることとなる。
その一方で、この「老い」という要素は、今作の魅力に強く絡み付いているのもまた事実。
再び選手としてリングに上がるには歳をとりすぎたと言い決断を渋るロッキー。しかしポーリーやロバートらは言う………「簡単に諦めるな」と。
「諦めない」という言葉は、『ロッキー』シリーズの全タイトルに共通するテーマだ。
世界チャンピオンに挑むことを「諦めない」。愛する者の為に勝つことを「諦めない」。
王者の座を奪還することを「諦めない」。友の仇を討つことを「諦めない」。
ロッキーはいつだって踏ん張ってきた。どれだけ拳を打ち込まれようとも耐えてきた。全てはその先にある「勝利」のために。
今作にて、老いをものともしない姿勢で、戦うことを「諦めない」ロッキーの姿は何よりも勇ましい。
また前作では完全になくなってしまっていた試合のシーンが、今作では完全復活。
特徴として、従来のバトルシーンと比べ現代版にアップデートされている点が挙げられる。
初代から受け継がれてきた実況はそのままに、TV番組風の演出を取り入れるなど、実際のボクシング中継そっくりの編集が施されている。
更に今作のボクシングシーンは、実際に殴り合って撮影をしている。スタローンはプロボクサーのパンチをもらい、何度も失神しかけたとのこと。
初代から今作に至るまで、真摯にロッキーを応援し続けてきたポーリーらロッキー・ファミリーに思わず涙。エイドリアンも天国から見ているのかな………
これにて「イタリアの種馬」ことロッキー・バルボアの戦いの歴史は遂に幕を閉じる。
数多の戦いを潜り抜け、ボロボロに擦り剥けたボクシング・グローブ。その意志と戦いの歴史を、果たして誰が受け継ぐのか………。
その後のシリーズ展開
周知の通り、2023年現在は『ロッキー』シリーズのスピンオフが公開され、シリーズ化している。
その名も『クリード』シリーズ。主人公は、あのアポロ・クリードの遺児であるアドニス・クリードだ。
アドニス役を担当するのは、『ブラックパンサー』のマイケル・B・ジョーダン。
https://eiga.com/movie/89393/gallery/6/
2015年に第1作『クリード チャンプを継ぐ者』、2018年に第2作『クリード 炎の宿敵』、今年2023年に第3作『クリード 過去の逆襲』が公開。
ロッキー役であるスタローンは第1作、第2作にアドニスのトレーナー役で出演している。
『〜炎の友情』の解説にて先述したように、第2作ではドラゴ役のドルフ・ラングレンも出演。こうした形で『〜炎の友情』が取り上げられるのは喜ばしいことだ。
無論、こっちのシリーズも観終わったら記事にしてみる予定。乞うご期待!!
まとめ(あとがき)
うお〜〜〜書いた〜〜〜めちゃくちゃ書いたぞ〜〜〜
恐らく1万字はいったと思われる。当ブログとしては「2023年上半期ランキング」以来か。
全6作品を一つの記事でまとめて解説するのは、やはり些か無謀だったかも?そろそろ読みやすくするような工夫も考えねば………
しばらく「最新映画レビュー」を更新することもないだろうと思い着手してみたが、いやぁやはり時間がかかる。
仮に文章を書き上げたとしても、ここから編集なりしていかないといけないのでまたもや時間がかかる。頑張ろう、私。
と、言うわけで今回はこの辺で。
それではまた、次の映画にて。



