進化の、起源。『プロメテウス』
https://eiga.com/movie/57474/photo/
『プロメテウス』
("Prometheus")
あらすじ
人類とは如何にして生まれたのか。仮に人類が誰かの被造物であるとして、その「創造主」とは何者なのか。
2089年、その永遠の謎を解き明かすべく、考古学者エリザベス・ショウをはじめとする調査隊は、宇宙探索船プロメテウス号に乗り込み、LV-223という惑星へ舵を切る。
長きに渡るコールドスリープを経て、遂にLV-223へと辿り着いた一同。着陸地点の眼前に広がっていたのは、一つの巨大な岩山だった。
中へ足を踏み入れるとそこには、人間の顔を模した巨大な彫刻と、謎の筒状の物体が点在していた。
この岩山が人工物であると即座に理解した一同は、そんな謎の遺跡の更に奥へ足を踏み入れようとする。
しかしながら、調査の途中で謎の嵐が発生。調査隊は急いで宇宙船へ帰還するも、数人が遺跡の中に取り残されてしまう。
じっとしていても埒が空かないと探索を続行する2人。やがて彼らは、とても信じ難い、世にも悍ましいものを目にすることとなる………
人類の起源に秘められし「神秘」と、隠された「秘密」。それは決して深掘りしてはならない、禁忌の始まりだった………
https://eiga.com/movie/57474/gallery/8/
作品概要
シリーズ5作目。1998年『エイリアン4』以来、実に14年ぶりの『エイリアン』シリーズとなる。
シリーズの創始者であるリドリー・スコットが、満を持してシリーズの監督に復帰。約30年ぶりに「巨匠」の手によって、『エイリアン』の世界観が描かれることに。
ノオミ・ラパスやマイケル・ファスベンダー、イドリス・エルバなどが出演。シガニー・ウィーバー以外が主人公を務めるのは、何気にシリーズで今作が初めて。
https://eiga.com/movie/57474/gallery/3/
さて今作、『エイリアン』シリーズの一つではあるものの、ご覧の通りタイトルに『エイリアン』の文字はない。
その理由とは、今作が『エイリアン』の前日譚的作品であることに由来する。時系列としては『エイリアン』から約30年前の出来事となる。
そう、つまり「人類の誕生」には、同時に「エイリアンの誕生」と関係していたという衝撃的事実が、今作で明らかとなるのだ。
よって、今作『プロメテウス』とその続編である『エイリアン:コヴェナント』は、「エイリアン」の誕生にフォーカスを当てた作品となる。
https://eiga.com/movie/57474/gallery/5/
またシリーズでは珍しく、SFホラーではなくシンプルなSF映画としてのジャンルを取っている。ただのSF映画なら、ホラーが苦手な人でも楽しめるんじゃないか………
と油断させておいて、しっかりとエグ味のあるシーンをぶち込んでくるのが『エイリアン』シリーズ。思わず顔を顰めてしまうようなパートも当然ながら存在する。
主人公が軟体生物のような宇宙人を出産するシーンは、下手するとシリーズで最もグロいシーンに挙げられるかもしれない。
20年にわたって続いてきた、エイリアンの恐怖の物語。ではその恐怖の根源とは?人を超えるほどの完全生命体へと成り得た、その秘密とは何なのか。
今こそ明かされる「恐怖の誕生」にまつわる神話。秘密に隠されし「絶望」の産声が、宇宙に響き渡る………
絶望が、産まれる。『エイリアン:コヴェナント』
https://eiga.com/movie/83604/photo/
『エイリアン:コヴェナント』
("Alien: Covenant")
あらすじ
時は2104年。数十名のクルーたちと数千人の人間の胎芽を載せたコヴェナント号は、移住予定の惑星「オリガエ6」へ航行中だった。
しかし突如として謎の衝撃波がコヴェナント号を襲撃、船内は火災に見舞われ、船長はコールドスリープのカプセル内で死亡してしまう。
悲嘆に暮れながらも、航行を続行すべく復旧作業に取り掛かるクルーたち。そんな最中、未知の惑星から謎の信号を受信する。
信号の発信源である惑星を調べてみたところ、目的地のオリガエ6よりも遥かに近く、それでいて人間の居住にも適した環境を有していた。
数名の反対を押し切り、惑星への調査へ向かう一同。そこで目にしたのは巨大な朽ちた宇宙船と、11年前に行方不明となったプロメテウス号の船員、エリザベス・ショウのドッグタグだった。
この星には知られざる秘密があるに違いないと、引き続き探索を続行する一同。しかしその途中、隊員の数名が体調不良を訴えだす。
未知なる感染症に罹患したのではないかと疑い始める一同をよそに、隊員の背中を突き破り謎の生物………「ネオモーフ」が出現する。
続いて他の隊員からも出現し、混乱に陥るクルーたち。だがそこへ、かつてエリザベスと共にプロメテウス号に搭乗していたアンドロイド、デヴィッドが助けに入る。
この惑星とは何なのか、人に寄生することで誕生するあの異生物の正体とは何なのか、そしてエリザベスとデヴィッドはこの惑星で何をしていたのか。
後に続く「絶望の物語」、その真の序章が今、幕をあける。
https://eiga.com/movie/83604/gallery/5/
作品概要
シリーズ6作目。1999年公開『エイリアン4』以来の、「エイリアン」というタイトルがついた作品となる。
前作『プロメテウス』に引き続き、シリーズの創始者であるリドリー・スコットが監督を務める。キャストとしてはマイケル・ファスベンダーが続投した。
実に30年近くもの時を経て、再び始まるエイリアンによる恐怖と絶望の物語。
前作『プロメテウス』と同じ前日譚とはいえどその絶望感は凄まじく、エイリアンに蹂躙されていくクルーたちの姿は実に恐ろしく、哀れ。
ストーリーの形式は大きく異なるものの、まさしくリドリー・スコットがかつて手がけた初代『エイリアン』、その再来である。やはり『エイリアン』はこうでなくては。
度重なる「絶望」の瞬間の連続に、登場人物たちの顔が徐々にグシャグシャになっていく様は思わずゾクゾクしてしまう。
加えてCG技術の発達により、今までは特撮を用いて表現されていたエイリアンが、超美麗な姿を提げてスクリーンに降臨。
よりリアルな造形・質感を以てして、クルーたちを虐殺していく姿は文字通り「恐怖」そのもの、そして我らの求めるエイリアンの姿がそこにあった。
https://eiga.com/movie/83604/gallery/7/
「宇宙船に侵入したエイリアンが、次々とクルーを殺していく」。SFホラーの殿堂入りとまで称された初代『エイリアン』だが、その大まかなストーリーは非常にシンプル。
現にこのストーリーラインをなぞったような、所謂「B級映画」と言われる作品は星の数ほど存在する。
こうした『エイリアン』のごくシンプルなコンセプトは『エイリアン4』まで引き継がれ、やがて2004年にはクロスオーバー作品として、同じく20世紀FOX出身であるプレデターと対決。
他にも格闘ゲームにDLCキャラクターとして参戦するなど、この「エイリアン」というキャラクターはハリウッドを代表するクリーチャーとして語り継がれることとなった。
https://eiga.com/movie/83604/gallery/13/
だがそんな定石を見事にぶっ壊したのが『プロメテウス』、及び今作『エイリアン:コヴェナント』と言っても過言ではない。
リドリー・スコットは『エイリアン』を、ただのSFパニックホラーではなく「神話」として再構築したのだ。
人間を超えた「完全なる生命体」であるエイリアン、その誕生。捉えようによっては、その姿は最早生命という枠組みを超えた、神にすら近しい存在だ。
そんなキャラクターを、ただのSFホラーの舞台装置、及びキャラクターとして消化するのは勿体無いと、おそらくリドリーは考えたのだろう。
劇中でも、エイリアンを神格化するかのような描写が数多く見受けられる。数十年もの時を経て、全く新しい形に産まれ変わった『エイリアン』だ。
恐怖の、再臨。『エイリアン:ロムルス』
https://eiga.com/movie/101684/gallery/5/
『エイリアン:ロムルス』
("Alien: Romulus")
あらすじ
人類の植民地の一つであるジャクソン星。劣悪な環境の中、人々はユタニ社の管轄の元日々過酷な労働に勤しんでいた。
そんなジャクソン星の鉱山で働くレインは、亡き父から授かったアンドロイドのアンディと共に暮らしていた。
人々は疾患により次々と倒れ続け、異動の申請を出すも却下され、先の見えぬ日々を送る2人は、仲間たちとの「ある計画」に乗ることに。
それはジャクソン星の衛星軌道上にある、廃棄された宇宙船にあるコールドスリープ用のポッドを盗み出し、より良い環境の星に移住するという計画だった。
このままいても犬死にするだけだと、微かなる希望を胸にジャクソン星を飛び出す一同。やがて発信源に辿り着くが、そこにあったのは廃棄された宇宙船ではなく、巨大な実験施設だった。
謎の研究施設………通称「ロムルス」に忍び込み、早速ポッドを見つけ出す一同。だがその惑星に辿り着くまでのエネルギーが足りず、一同はロムルスの更に奥へと忍び込みエネルギー源を探すことに。
より良い未来を夢見て、ありもしない希望を抱く若者たち。その先に、どうしようもなく深い「絶望」が待っているとも知らずに。
https://eiga.com/movie/101684/gallery/3/
作品概要
シリーズ7作目。前作『エイリアン:コヴェナント』から、実に7年ぶりの新作となる。
前作までメガホンを取っていたリドリー・スコットは製作に回り、監督をあの『ドント・ブリーズ』を手がけたフェデ・アルバレスが担当した。
『エイリアン』シリーズ特有ともいうべき「静寂からなる恐怖感」を演出するのに、まさしく文字通り最高の人選と言える。
「閉ざされた宇宙船で、未知の生命体が襲いかかる」………こうした大まかなストーリーラインは、初代『エイリアン』以降そのまま映像化されることは無くなった。
とはいえ一応『エイリアン3』や『エイリアン:コヴェナント』も「SFホラー」というジャンルへの原点回帰を果たしている………が、初代のものとどこか違うのは否定できない。
https://eiga.com/movie/101684/gallery/2/
そして今作『エイリアン:ロムルス』、ここに来て初代『エイリアン』から、約45年ぶりとなる「真の」原点回帰を果たすこととなる。
閉鎖的な宇宙船、エイリアン、そして次々と殺されていくクルーたち。プロットのみならず、所々に初代『エイリアン』のオマージュが見られる辺り、監督のシリーズへの猛烈な愛が見て取れる。
しかしこれだけで終わらないのが今作の恐ろしいところ。なんと『エイリアン2』のようなSFアクション的要素も盛り込んでいるのだ。
時系列的にも初代と『2』の間の話なため、こうした作りになるのはある意味必然的だったのかもしれない。
また他にも、『エイリアン3』のようなエイリアンから逃げ惑うクルーの姿、『エイリアン4』のように人々を容赦なく惨殺していくストーリー、
挙げ句の果てには『プロメテウス』や『エイリアン:コヴェナント』のような神々しいエイリアンの姿など、過去作の美味しい部分を上手く抽出してみせているのだ。
結果として生まれたこの『エイリアン:ロムルス』、全世界で公開されるや否や興行的にも批評的にも成功し、中には『エイリアン』シリーズ最高傑作と称する人も。
これぞまさしく、長年ファンが求めていた『エイリアン』そのもの。極上の「恐怖」と「絶望」を、是非とも劇場で体感して頂きたい。
https://eiga.com/movie/101684/gallery/4/
今後のシリーズ展開
最新作である『エイリアン:ロムルス』が公開されて以降、現時点では続編が制作されるという話は特に挙がっていない………が、何人かは続編に関する構想を練っている模様。
リドリー・スコットは『エイリアン:コヴェナント』に引き続き、『エイリアン』の前日譚としてあと2作品、構想を残している模様。
『〜ロムルス』にて自他共に認める最高の原点回帰を果たした『エイリアン』シリーズだが、『〜コヴェナント』のような『エイリアン』もそれはそれでまた魅力的だ。
また『〜ロムルス』を監督したフェデ・アルバレスは『エイリアン VS. プレデター』の続編をやってみたいとも発言している。
もし計画が実現したら、『プレデター:ザ・プレイ』の監督、ダン・トラクテンバーグとタッグを組みたいとのこと。もし実現したら是非とも観てみたい作品だ。
https://eiga.com/movie/96122/gallery/6/
まとめ(あとがき)
最新作公開のついでに書いてみました『エイリアン』シリーズ解説。如何でしたでしょうか。
まずもうね、エイリアンの造形から大好きなんですよワタクシ。スラっとしたフォルムに肥大化した頭部、その他細部に至るまでめちゃくちゃ好きで。もうフィギュア欲しいぐらい。
もし現実にエイリアンがいるんなら殺されても良いぐらい………とは流石に言えないけれど、一生眺めてられるような気がする。
さて本記事を書くにあたって、シリーズの各作品もDisney+で予習して参りました。昔だったらTSUTAYAでレンタルしないとできないようなことですよ。すごい時代になったもんです。
しかし最新作『〜ロムルス』だけはしっかりと映画館で観て参りました。IMAXで観てみようかなぁ………とも一瞬迷いましたが、情けないことに怖気付いてしまいましてね。
感想をごく簡潔に言うともう最高です。エイリアン大好きおじさんからすれば本当に贅沢、まさにミックスグリルのようなご馳走でした。
Filmarksのレビューでも勢い余って星5つけちゃったよ。ひょっとしてもしなくても、人生オールタイムベストランクインかもしれない。
そんなわけで、『エイリアン』がどんな作品なのか気になってる方、或いは私みたくエイリアンを崇拝している方、心の底から『〜ロムルス』を映画館で観ることを推奨いたします。絶対後悔しないから!!
と、いうわけで今回はこの辺で。
https://eiga.com/movie/101684/gallery/
それではまた、次の映画にて。













