⑤”正義”の下に集いし、英雄たち。『ジャスティス・リーグ』
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『ジャスティス・リーグ』
(”Justice League”)
あらすじ
スーパーマンの死後、ブルース・ウェイン/バットマンは地球に迫り来る脅威に対抗すべく、ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマンにある計画を持ちかける。
それは世界各地に散らばるスーパーヒーローたちを招集し、一つのチームを結成しようというもの。
メンバーのスカウトに赴いたブルースの元に集ったのは、それぞれが独自の能力を持った超人たち。
超高速で移動することができるバリー・アレン/フラッシュ。海底王国アトランティスの王子アーサー・カリー/アクアマン。超高性能の機械の身体を持つビクター・ストーン/サイボーグ。
それぞれがスーパーマンに勝るとも劣らない、人類の脅威に対抗し得る力を持つ者たちだ。
だが期を同じくして、かつて太古の地球を蹂躙したステッペンウルフが、無数の軍勢を連れて再び地球に襲来。
超人たちを結集したはいいものの、このままでは歯が立たないと事態を危惧するブルース。そこで彼は、ある手段に打って出る………
それはメトロポリスに眠る、クラーク・ケント/スーパーマンを復活させることだった。
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作品解説
DCEUの到達点の一つとも呼べる、MCUのアベンジャーズに並ぶスーパーヒーロー・チームが遂に結成。
ベン・アフレック扮するバットマン、ガル・ガドット扮するワンダーウーマンが続投する他、
『BvS』にてカメオ出演していた、フラッシュ役のエズラ・ミラー、アクアマン役のジェイソン・モモア、サイボーグ役のレイ・フィッシャーが本格的に登場。
特にフラッシュなんかは、グラント・ガスティン主演のドラマシリーズ(DCEUとは別の世界線)で強い人気を博しているヒーロー。
監督にはザック・スナイダーが登用されており、今作も『MoS』『BvS』と同じくシリアスな作風が目立つ………
かと思いきや、途中でザックが降板してしまったことが影響し王道のヒーロー映画らしくポップな作りに。
今作から新しく参戦したヒーロー3人(フラッシュ、アクアマン、サイボーグ)のキャラクターの掘り下げが甘く、それが起因してかストーリーも稚拙。
加えて監督が途中で交代したことにより、作風もチグハグな状態に。
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これが災いしてか、なんとシリーズ最低の興行収入を記録することに。同年公開『ワンダーウーマン』を大きく下回るという散々な結果に。
制作費がめちゃめちゃかかっている為、ワーナー・ブラザースからすればこれは大赤字モノ。
流石のDCEUもこれは効いたようで、作品作りの方針をユニバース重視から単独作重視へ転換(『ワンダーウーマン』の大ヒットが主な理由か)。
さらに2019年には、ザック・スナイダーが降板する以前に用意していた考案を元に制作された、
ディレクターズ・カット版である『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が公開された(詳しくは後編を参照)。
故に今作は、良くも悪くもDCEUが大きく舵をとった、大きなキッカケとなった。ここからが、DCEUのリスタート地点といっても過言ではないだろう。
⑥海と冒険、そして再出発。『アクアマン』
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『アクアマン』
(”Aquaman”)
あらすじ
その昔、灯台守のトム・カリーは、浜辺に倒れる1人の女性を見つける。
2人は共に暮らしていくうちに惹かれ合い、やがて子供をもうける。2人は子供をアーサーと名付け、育てることに。
だがそんなある日、家族のもとに謎の武装した兵士たちが海より現れる。あの日浜辺に倒れていた女性の正体は、海底王国アトランティスの女王・アトランナだったのだ。
兵士たちはアトランナをアトランティスに連れ去るが、アトランナはトムに「いつの日か、あの桟橋で再び会いにいく」と約束する。
それから月日が流れ、アーサーは父の教えやアトランティスの参謀バルコの指導によりめざましい成長を遂げ、人々を救うヒーローとして活動していた。
一方アトランティスでは、アーサーの弟であるオームが「海の覇王」となるべく、野心を燃やしていた。
隣国の王であるネレウスと結託し「地上の生き物を全て滅ぼす」ことを決意するオーム。
アトランティスの王女であるメラは危機を察知し、地上にいるアーサーに「貴方がアトランティスの王になるしかない」と呼びかける。
決断を渋るアーサーだったが、オームの手により父の命が危機に晒されたことから、アトランティスへ向かうことを決心。
世界の存亡を賭けた、壮大なる海の旅路が今、始まる。
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作品解説
『ジャスティス・リーグ』にて初登場した、ジェイソン・モモア扮するアクアマンが主役の映画が、満を持して登場。
監督には『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェームズ・ワンが就任。『死霊館』シリーズを手がけるなど、ホラー界隈の監督としても名高い多才な監督だ。
キャストにはジェイソン・モモアの他、アンバー・ハードやウィレム・デフォー、パトリック・ウィルソンなどが出演。
『アス』や『マトリックス レザレクションズ』、『アンビュランス』で最近引っ張りだこなヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世も出演している。
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『ジャスティス・リーグ』が興行的に大失敗を遂げ、いよいよ打ち切りの危機を迎えつつあったDCEU。
このままではマズいと判断したDCEU及びワーナー・ブラザースは、MCUのように他作品とのクロスオーバーを意識し作品制作を行うという方針から、
まずは一作品一作品を丁寧に作っていくという方針へ転換。なぜ最初からそうしなかったのかとツッコむのはとりあえずやめておこう。
そんな新生・DCEUの先陣を切ったのがこの『アクアマン』だ。従来の作品との繋がりはほぼ全くなく、れっきとした単独作として成立している。
今作はとにかく海中アクションが凄まじい………その一言に尽きる。四方八方に飛び回り、大暴れするアクアマンは実に爽快にして豪快だ。
『ワイスピ』特有のハチャメチャなアクションを監督したジェームズ・ワンだからこそできた、まさしく荒技とも言えるかもしれない。
それに加えて、アクアマンことアーサー・カリーと王女メラの2人が繰り広げる冒険譚もまた魅力的だ。
超美麗なアトランティスから和やかな港町、砂海王国と銘打たれる大砂漠からホラー映画よろしく化け物たちの潜む深海まで、
様々な場所を巡っていくアドベンチャーモノとしても十分に楽しめる作りとなっている。
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そんなエンタメ要素てんこ盛りな『アクアマン』、肝心の興行的には如何だったのだろうかというと………大成功だ。
新たに生まれ変わったDCEUの、新たなるヒーローの誕生が、見事なまでにDCEUを救ってみせたのである。
筆者的には映画にハマりたてだった頃に劇場にて鑑賞し、そりゃもう大興奮だったのを鮮明に覚えている。公開から数年経った今でも大好きな作品だ。
⑦ヒーローになりたくば、その名を叫べ………『シャザム!』
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『シャザム!』
(”Shazam!”)
あらすじ
幼い頃に母と離れ離れになってしまったビリー・バットソンは、養子家庭を転々とした後、バスケス夫妻が経営するグループホームへ入居する。
バスケス夫妻と、同じくグループホームに入居しているメンバーたちはビリーを暖かく迎え入れるが、
どうしても母に会いたいと願うビリーは新しい家族に馴染まず、何度も家出を繰り返していた。
そんなある日、いつも通り電車に乗るビリーだったが、車内の様子はだんだんとおかしくなっていき、やがて薄暗い洞窟へと辿り着く。
「永遠の岩」と呼ばれる洞窟の宮殿に座していたのは、偉大なる魔法使い・シャザム。ビリーの勇敢なる心を見抜いた魔術師は、ビリーに「大いなる力」を授ける。
それは六柱の神々の名を模った超人の力。ビリーは魔術師の名「シャザム」と唱えるだけで、大人の姿をしたスーパーヒーローへと変身する力を手に入れたのだ。
しかしながらビリーはまだまだ子供。ビリーはフレディと共に、その大いなる力を正義のためではなく単なる悪戯のために使っていた。
そんなシャザムのスーパーパワーを付け狙う、怪しげな影が迫っているとも知らずに………
https://eiga.com/movie/83921/gallery/2/
作品解説
一般人がスーパーヒーローに「変身」するというのは、アメコミのみならずヒーローを主役に据える作品では最早当たり前のことだ。
クラーク・ケントがスーツを脱いで「スーパーマン」になるように、或いはブルース・ウェインがマスクを被って「バットマン」になるように、
ヒーローの「変身」する姿は実にアイコニックである。そんなヒーローの変身という要素を全面的に押し出したのが、今作『シャザム!』だ。
監督には『ライト/オフ』や『アナベル 死霊人形の誕生』のデヴィッド・F・サンドバーグが就任した。
前作『アクアマン』のジェームズ・ワン同様、ホラーの監督がヒーロー映画を撮ることに。
キャストには、MCUの『マイティ・ソー』シリーズにも出演したザッカリー・リーヴァイや、ジャイモン・フンスーらが出演。
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前作『アクアマン』が大ヒットを記録したことで、DCEUの路線変更作戦は大成功。故に今作も「これぞヒーロー映画!!」と言わんばかりの明るい雰囲気に満ち満ちている。
設定も「スーパーパワーを手に入れた少年が、ヒーローに変身して街を救う!!」というごくシンプルなもの。DCEUを知らない人でも、とてもとっつきやすい作品となっている。
今作もまた、従来のDCEUの作品通りヒーローアクションモノを模っているものの、どちらかというと「家族の絆」をメインとしたドラマパートが多い印象(大部分はコメディだが………)。
しかしながら魅せるところはしっかりと魅せる、純然たるヒーロー映画としてかなり完成されている一本でもある。
もし『MoS』がこういう作風だったら、DCEUの風向きも変わっていたのかな………と思ったりして。どうしようもないタラレバだけれど。
⑧Movie of the Harley, for the Harley, by the Harley.『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
(”Birds of Prey(and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)")
あらすじ
かつて「スーサイド・スクワッド」に所属し、犯罪者と共に世界を救ってみせたハーレイ・クイン(本名:ハーレーン・クインゼル)。
元々は精神病院に勤める精神科医だったが、バットマンの宿敵ことジョーカーに唆され、イカれた犯罪者となってしまった彼女。
世の中の出来事全てを喜劇として愉しみ、そのためには如何なる手段も問わない2人は、ゴッサムで恐れられていた。
そんな彼女にとって、ジョーカーとは自身の人生を180度一変させてくれた存在。2人は永遠の愛に結ばれていた………
かと思いきや、突然の破局。独り身となり解放されたハーレイ・クインは、自由奔放な生活を送っていた。
しかしそんな安息も束の間、ジョーカーという抑止力がなくなったことによりハーレイの命を狙う犯罪者たちが急増。
彼女がジョーカーと共になした悪行の数は、まさしく星の数に及ぶ。そんな積年の恨みを、ハーレイは一身に背負うこととなってしまったのである。
頭のネジが外れた彼女の、最高にハッピーかつクレイジーな逃避行。そんな彼女の行動が、思いもよらぬ事態へと発展してゆき………!?
https://eiga.com/movie/90686/gallery/7/
作品解説
『スーサイド・スクワッド』にて世界中で一躍人気を博した、あのハーレイ・クインがまさかの単独映画で再登場。
ハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーは当然の如く続投するほか、『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン役で知られるユアン・マクレガーがヴィラン役で出演している。
今作の監督を務めたキャシー・ヤンは、『ワンダーウーマン』のパティ・ジェンキンスに次ぐ、史上2人目のヒーロー映画を監督した女性監督となった(アジア系では世界初となる)。
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天真爛漫にして狂瀾怒濤、アメコミ界最狂の女ことハーレイ・クイン。コミックでも絶大な人気を誇る彼女だが、DCEUでの実写映画の公開に伴い不動の地位を確立したと言える。
そんな大人気キャラクターである彼女がスピンオフ映画の主役を担うとなると、その影響力は言わずもがな絶大だ。
そして今作の制作は、監督からプロデューサー、撮影から音楽に至るまで、撮影スタッフ全員が女性という異例のスタイルが取られている。
それに伴って、映画に登場する主要人物たち(ヴィランは除く)もまた全員女性であり、内容も若干ではあるがフェミニズム的なテイストとなっている。
しかしだからといって小難しい構成というわけでもなく、しっかりとハーレイ・クインを魅せる作りとなっているので初見の人でも安心。
ノリとしては『スーサイド・スクワッド』と同様かな〜りユルめなので、軽く鑑賞に臨めるのもポイントかも。
ハーレイ・クインのハーレイ・クインによるハーレイ・クインの、ひいては世知辛い世の中を生きる強き女性の強き女性による強き女性の為の映画。
こんなにも自由奔放なエネルギーに満ち溢れた映画は、アメコミ映画でなくとも史上初なのではなかろうか。
《後編》へつづく………(軽めのあとがき)
大変お久しぶりでございます。水綿でございます。
実に1ヶ月ぶりの更新………流石にこれはサボりすぎたね。まぁあれもこれも全てポケモンが楽しすぎるのが悪いということで………
先月『アクアマン/失われた王国』が公開され、DCEUが遂にその幕を閉じたということで今回執筆に至ったわけですけれども。
いやぁやはり長いねDCEU。直近で書いたシリーズ解説モノだと『ロッキー』シリーズだけれど、あれもゆーて6作品ぐらいだからねぇ。
こっちなんか16作品よ16作品。前編と後編で分けなきゃやってられませんて。
そんなわけで後編の方ものんび〜りと書いていこうかなと。マイペースにやってきますので何卒。
それでも1ヶ月投稿が空くなんてことはできるだけないようにはしますが………笑
と、いうわけで今回はこの辺で。
それではまた、次の映画にて。