「平和を望むなら、戦いに備えよ。」『ジョン・ウィック:パラベラム』
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『ジョン・ウィック:パラベラム』
(”John Wick: Chapter3 - Parabellum")
あらすじ
サンティーノ・ダントニオとの死闘の果てに、コンチネンタル・ホテルにて彼を殺害。
業界では禁忌とされる「聖域の掟」を破ってしまったジョン。
コンチネンタル・ホテル・NYの支配人であるウィンストンは、ジョンに1時間の逃亡の猶予を与えジョンを追放。
これによりジョンは、今までは利用できていたコンチネンタル・ホテルのサービスを一切利用できなくなってしまう。
ジョンに課せられた懸賞金は1400万ドル。これを狙い世界中の殺し屋たち、そしてあの「主席連合」までもがジョンの命を狙うこととなる。
四六時中命を狙われ続ける死線を潜り抜け、かつて現役時代に協力関係にあった人物や組織を訪ね助けを求めるジョン。
共闘した仲間、殺しの技を叩き込まれた組織………ジョンの目的とは、主席連合の「首長」に会うことだった。
しかし主席連合は彼を逃さない。そしてその魔の手は、ジョンだけでなくウィンストン、そしてバワリー・キングにも伸びようとしていた。
未だかつてない「死闘」の連続。その結果は「平和」か、或いは新たなる「戦争」か………。
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作品解説
【公開:2019年5月17日(米国)2019年10月4日(日本)】
シリーズ3作目にして、本シリーズの「アクション祭り」的要素が遂に大爆発。
まず冒頭5分も経たずして早速殺し合い。やっと一息ついたと思ったらまた殺し合い。移動の際も常に殺し合い。
最早狂気的とさえ思える、圧倒的密度で繰り広げられるアクション・フェスティバル。
前作からやや薄れ気味であった1作目のテーマ「復讐」は、今作でほぼ完全に息を潜めたと言える。
ひとえにアクションと言っても、そのジャンルは実に多岐に渡る。
いつもの「ガン・フー」から、ナイフの投擲、疾走感あふれるバイクチェイス、果てには馬をも駆り出すジョン。
更に、シリーズには欠かせない「犬」も今作では大暴れ(厳密にはジョンの犬ではないが)。敵の頭やアソコを喰いちぎりまくる。
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いよいよアクション映画として真なる覚醒を遂げた『ジョン・ウィック』シリーズ。
そのあまりにも高すぎる密度から、良くも悪くも「キアヌ・リーブスのアクションお披露目会」となっているのは正直否めない。
しかしながら、何十にも上るアクションシーンの数々、その全てがクオリティ抜群なのもまた事実。
1作目では「復讐」によって生み出されていた「爽快感」は、今作では「アクション」による「爽快感」へと変貌を遂げていた。
常に加速し続ける、ジョンの2時間半にも及ぶ激闘の連続に、目を奪われること間違いナシ。
復讐の死闘、その「報い」の果てに。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
("John Wick: Chapter 4”)
あらすじ
コンチネンタル・ホテル・NYでの決戦の末、ウィンストンは主席連合の元に降った。
ジョンはウィンストンの銃弾を受け傷を負い、バワリー・キングと共に息を潜めつつ、主席連合への恨みを募らせていた。
その後、ジョンは自身の結婚指輪を奪い去った首長を探し出すも、首長は既に入れ替わっていた。
首長は「私を殺しても何も変わらない」とジョンに警告する。しかしジョンはその言葉に意も介さず、首長を殺害する。
この出来事を受け、主席連合の首長として新たにグラモン侯爵が就任。
グラモンは首長殺しのジョンを生かしたことへの報復で、ウィンストンの支配人の権限を剥奪すると共にコンチネンタル・ホテルを爆破。コンセルジュのシャロンは射殺されてしまう。
主席連合は今度こそジョンを抹殺する為、盲目の殺し屋にしてジョンの旧友であるケインを娘の命を人質に協力を強要する。
一方ジョンは、友人であるシマヅに匿ってもらう為大阪のコンチネンタル・ホテルへ訪れる。しかしそれでも尚、主席連合は彼を逃さなかった。
わずか一年も経たずして生まれた「報い」の連鎖。血で血を洗う壮絶な死闘、その果てに夜明けを迎える者は果たして誰か。
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作品解説
第4作目にして「報い《Consequence》」即ち「復讐」というテーマに帰結した、ある意味原点回帰とも言えるタイトル。
今作は何と言っても出演者が未だかつてない程に豪華。世界中のアクションスターたちが、この壮絶極まりない死闘に身を投じることとなった。
香港アクション映画の大スタードニー・イェンに、我らが日本の真田広之が参戦。
他にも『IT/イット ”それ”が見えたら、終わり』のビル・スカルスガルドも出演。
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特にドニー・イェン扮するケインは、ジョンに次ぐ今作の主役と言っても過言ではない。
長らくジョンらを苦しめてきた主席連合との決戦とのことで、今作は言わばシリーズの集大成的な作りとなっている。
前作よりも更に進化した「アクション祭り」に、報復・復讐をテーマに据えた「原点回帰」。
それはまるで『ジョン・ウィック』シリーズの幕が閉じようとしているかのよう。
「犬を殺され、車を奪われた」………たったこれだけのほんの些細な出来事がここまでのスケールにまで発展したというのは実に感慨深い。
それと同時に、このシリーズはいつだって「報い」というテーマがあったんだと気付かされる。
かけがえのないものを奪った「報い」、家を壊された「報い」、自分を殺そうとした「報い」………
幾多もの命を奪ってきたジョンは、いつだって「報い」に従って銃の引き金を引いてきたのだ。
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そしてジョン自身もまた多くの人の「報い」を背負ってきた。それは現役の時代だろうと引退した後の時代だろうと関係ない。
そしてその「報い」は、到底「死」では償いきれないほどに膨れ上がってしまった。
いつか訪れるジョンの「死」の後に何が待っているのか………それはウィンストンだろうと主席連合だろうと、そして我々でさえも知る由もない。
果てなき「報い」のその終わりに、彼は何を見たのか。安らぎか、或いは苦痛か、その答えを知る為に、彼は報復の銃弾を撃ち放つ。
まとめ(あとがき)
最新作『〜コンセクエンス』が最近公開されたとのことなので、いっちょ解説系でも書いてみるか!!と思い執筆に至ったのだが、如何だっただろうか。
本シリーズの大ヒットにより、現在続々と派生作品が制作されている模様。
ジョンの視点以外でも、あの魅力的な世界を堪能できるとは嬉しい限りだ。
若き頃のウィンストンやシャロンを描いたドラマシリーズ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』は現在Amazon Prime Videoにて配信中。
また『〜パラベラム』にてちらっと登場したバレリーナを主役としたスピンオフ『バレリーナ』も制作中とのこと。
劇中ではジョンがサプライズ出演するなんていう噂も。
個人的にはジョンの全盛期を描いた『ジョン・ウィック:オリジン(仮題)』を観てみたい所存。
引退のキッカケとなったあの「遂行不可能な仕事」とは何だったのか、めちゃくちゃ気になる。
と、いうわけで今回はこの辺で。今後も様々な形で続いていくであろう『ジョン・ウィック』シリーズ、気長に待つとしよう。
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それではまた、次の映画にて。







