アウトローの、叛逆。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
("Guardians of the Galaxy")
あらすじ
幼少期に宇宙人に攫われ、銀河を跨ぐトレジャーハンターとして活躍する男、スター・ロード/ピーター・クイル。
ある日とある惑星の遺跡に忍び込み、強大なパワーを秘めるとされるオーブを盗み出したピーターは、それを惑星ザンダーで売り払おうとしたところ、暗殺者の女であるガモーラから奇襲を受ける。
さらにそこへ、賞金稼ぎのコンビであるロケットとグルートも参戦。ザンダー星の警察まで動く騒動となった結果、4人はキルン刑務所に投獄されてしまう。
ガモーラの話によれば、オーブの中に隠されているのは宇宙誕生のエネルギーにより生じた石「インフィニティ・ストーン」の一つ、パワー・ストーン。
ガモーラは、邪悪なクリー人であるロナンの命令を受けオーブを奪いにきたとのこと。
だがロナン、そして彼が結託しているガモーラの父サノスの目的はパワー・ストーンの力による大虐殺であり、ガモーラはそれを防ぐべくオーブを盗んでそのまま逃げるつもりだった。
オーブを誰かに売り払い、金にして山分けしようと判断した一同は(一時的という体で)団結し、ロナンに家族を殺され復讐に燃える男・ドラックスを仲間に引き入れ、キルン刑務所を脱獄。
一方ロナンは、オーブがどこかへ持ち去れれたこと、そしてガモーラが裏切ったことを知り、軍隊を率いてザンダー星への侵攻を開始してしまう。
「正義」もへったくれもない、銀河を股にかける愚連隊………通称「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は果たして、銀河を危機から救うことができるのか!?
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作品概要
これまで「フェーズ1」の作品の続編ばかりだったフェーズ2だったが、ここにきて完全新規のヒーロー・チームが爆誕。銀河最強のアウトロー野郎共、GOTGの華麗なる登場だ。
監督を務めるはジェームズ・ガン。後に続く『GOTG』シリーズの続編でも監督を務める、「『GOTG』と言ったらこの男!!」と称される名匠だ。
キャストにはクリス・プラットやゾーイ・サルダナ、声優としてブラッドリー・クーパーやヴィン・ディーゼルなど、豪華な顔ぶれが集結した。
『アイアンマン』や『アベンジャーズ』など、現代を舞台とした作品が多かったフェーズ1において、特に『マイティ・ソー』は「神々の世界」という急激な世界観の広がりを見せてくれた。
全ての作品の世界観が全て繋がっているという、MCUひいてはシェアード・ユニバース系のシリーズにおいて、世界観の広がりというのは極めて重要な要素だ。
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そういう意味では、今作『GOTG』はフェーズ2における『マイティ・ソー』のような役割を持つのではないかと考えられる。何しろ『GOTG』の舞台とは銀河、即ち「宇宙」なのだから。
「宇宙からの敵」という描写であれば『アベンジャーズ』のほうが先だが、宇宙という舞台そのものが本格的に登場するのは今作が初。
様々な環境及び特徴を有する惑星たち、宇宙船に乗りながらの空中戦、他多数のSF要素。既視感を覚える部分も少々あるものの、MCUの作品という意味合いでは非常に目新しいものとなっていた。
そして何よりも、我らが愛するガーディアンズの初登場、これこそが今作の最も注目すべきポイントだろう。
未だ他作品との接点がないため、この時のガーディアンズはアベンジャーズとは全く異なるチーム。しかしアベンジャーズよりもガーディアンズのほうが好き、という人も多いのではなかろうか。
先述した通り、ガーディアンズは一つの目的のために集まったアウトロー集団。一口に「世界を救う」と言っても、そのノリはアベンジャーズよりも遥かに軽いことがわかる。
しかしだからこそ生まれる距離感の近さ、チームという枠組みを超えた「家族」のような親密感。これこそがガーディアンズの有する随一の魅力だろう。
今後の続編を観ていけば、きっと彼らがどうしようもなく愛おしいヤツらだと思えるようになるはずだ。
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平和の、終焉。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
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『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
("Avengers: Age of Ultron")
あらすじ
それぞれが圧倒的なパワーを持ったヒーローたちが集結し結成されたチーム、アベンジャーズ。
3年前にNYを襲撃したロキ、彼がマインドコントロールをする際に用いていた杖・セプターが、ソコヴィアのヒドラの研究施設にあると知ったアベンジャーズは、施設を襲撃。
セプターを奪取し、アベンジャーズの基地にてその中身を解剖してみたところ、そこには小さな人工知能、そしてインフィニティ・ストーンの一つであるマインド・ストーンが隠されていた。
この力を危険だとして保管するのではなく、人類を守るための力として使うべきだと判断したアイアンマンことトニー・スタークは、この人工知能を開発しようと決意。
同じく科学者であるブルース・バナー(ハルク)と共に開発された人工知能、通称「ウルトロン」は、トニーから「地球の平和を守れ」という命令を下される。
しかしながら、想像以上の緻密な思考力を有していたウルトロンは「平和を守るためには、人類を全て滅ぼす必要がある」と判断。
かくして平和のために作られたウルトロンは、一瞬にして人類の平和を脅かす究極の人工知能へと変貌。己の軍隊を作り上げ、人類を滅ぼすべく着々と準備を進めていた。
ウルトロンを生み出してしまったトニーとブルース、そしてアベンジャーズのメンバーは立ち向かう。真の平和を取り戻すために………
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作品概要
フェーズ2を締めくくる、またもやMCUの全ヒーローが集結する超大作の登場だ。
前作『アベンジャーズ』のメンバーはしっかりと出演している他、フェーズ2以降に登場した新たなる顔触れたちも参戦。ジョス・ウェドンも監督として続投した。
今作からの新キャラクターとして、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフをエリザベス・オルセン、クイックシルバー/ピエトロ・マキシモフをアーロン・テイラー=ジョンソンが演じた。
ヒーローが一堂に集結する、という胸熱展開で世界中が熱狂した『アベンジャーズ』。その熱意は歴代興行収入ランキングに名を刻むほどにまで燃え上がり、MCUの圧倒的な人気を確立させた。
しかしその一方で、フェーズ1ひいては『アベンジャーズ』はあくまでもMCUの長い歴史における「序章」に過ぎない。故に作中でもヒーローたちは衝突を繰り返し、終盤にてようやく団結している。
「本当にこいつらが団結して戦うのか」と、ふと疑問に思ってしまう部分もチラホラ。まぁそれがあってこその終盤に盛り上がりとも言えるが。
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そして今作『〜エイジ・オブ・ウルトロン』。アベンジャーズというチームがしっかりと確立されたからか、メンバー全員が一丸となって戦うシーンが比較的多めとなっている。
紆余曲折あってメンバー同士が争うシーンも勿論あるが、新メンバーを巻き込んでの「アベンジャーズ」としての戦い様は、いつ見ても「胸熱」の一言に限る。
それに、今作以降の『アベンジャーズ』系列のタイトルは『〜インフィニティ・ウォー』に『〜エンドゲーム』と、今までの作品とは全く異なる異作ばかり。
アイアンマン、キャップ、ソー、ホークアイ、ブラック・ウィドウ、ハルク。アベンジャーズの初期メンバー5人が全員肩を並べて戦う姿を見れるのは、何気に今作が最後。
怒涛のフェーズ2の最後を盛大に締めくくる、究極の大団円。どんな脅威が襲おうとも平和のために戦い続ける、そんなアベンジャーズの姿に無限大の勇気を貰えるタイトルだ。
最小の、戦い。『アントマン』
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『アントマン』
("Ant-Man")
あらすじ
3年前に窃盗罪で服役していた元泥棒、スコット・ラングは、刑期を終え晴れて出所。完全に泥棒から足を洗ったと固く誓い、社会復帰への道を歩み出そうと決心する。
しかしながら、一度罪を犯してしまったスコットへの世間の目は非常に冷たかった。妻とその再婚相手からは冷たくあしらわれ、新しく就いたアイスクリーム屋もクビに。
しまいには、唯一の救いの存在である娘に会うことも許されず、社会のドン底にまで叩き落とされてしまったスコット。
もう元の日常には戻れないと確信したスコットは、足を洗ったと決意したはずの泥棒業に再び手を染めてしまう。
かつての泥棒仲間と再開したスコットは、早速デカいヤマを請け負うことに。それは大富豪の屋敷に忍び込み、金庫の中身を盗み出すというものだった。
スコットの卓越した技術により、盗みは成功。だが金庫の中に入っていたのは金ではなく、赤く小さな謎のスーツだった。
スコットが試しに着用してみたその瞬間、途端にスーツが超小型にまで縮小。身の回りの全てが巨大化する(正確には自分が縮んでいる)という前代未聞の体験をすることに。
怖気ついたスコットは盗みに行った屋敷まで赴きスーツを返却するも、屋敷を出た瞬間に警察から逮捕されるが、その屋敷の主人がすぐにスコットを釈放してしまう。
屋敷の主人の名前は、天才科学者として名高いハンク・ピム。彼はスコットに、ある「ヤマ」を持ちかける………それはこのスーツを身に纏い、世界最小のヒーロー「アントマン」になることだった。
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作品概要
フェーズ1同様、フェーズ2も『アベンジャーズ』で幕引きか………と思いきや、ここでまさかの新ヒーロー登場。自在に身体の大きさを収縮し戦うヒーロー、アントマンの登場だ。
監督についたのは、ジム・キャリー主演『イエスマン "YES"は人生のパスワード』などを手がけたペイトン・リード。『GOTG』のジェームズ・ガンと同じく、後に制作された続編全ての監督を務めている。
元々は『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライトが監督を務める予定だったようだが降板し、代わりに脚本を担当している。
ポール・ラッドが主演を務めた他、名優として名高いマイケル・ダグラスも出演。少しだけだが、ファルコン役のアンソニー・マッキーも出演している。
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「自身のサイズを変えて戦うヒーロー」と聞いて、大抵の場合はサイズを「拡大」させて戦う姿を想起するはずだ。
しかしこの「アントマン」はその真逆、サイズを「縮小」させて戦うのだ。この時点で、MCUのみならず今までのヒーローとはまるで違う戦闘スタイルを有していることがわかる。
ちなみにハンク・ピム博士曰く、縮小したところで攻撃の威力は変動せず、むしろ小型化したことにより弾丸の如き威力を誇るのだという。
ヒーロー映画とは、主人公と悪役が熾烈な戦いを繰り広げ、辺りでは地面が捲れ爆発が起こるなど、絵面が非常に派手になるものだ。
一方『アントマン』、何か巨大な建物が崩れてきた………と思いきやただ小物が落ちただけであったり、大きな爆発が起こった!!と思ったらちょっとだけその場所が焦げただけであったり。
絵面で見れば非常に派手なのに、現実では全く大したことではない………というこのミスリードは、まさしく『アントマン』特有の演出。
小気味いいコメディ要素と、超ド派手アクションが融合する、まさかのジャンルすぎる今作『アントマン』。
主人公のみならず他の登場人物も何かと癖が強く、ストーリーを鮮やかに彩ってみせている。文字通り新世代のヒーロー映画だ。
まとめ(あとがき)
フェーズ1に続くフェーズ2、怒涛の続編ラッシュであるため流石にダレるか………??と思いきやしっかりとキメてくるのが我らがMCU。そこに痺れる憧れるってやつですね。
さてMCUを記事で取り上げるにあたって、私もMCUを一度見返そうかなと思いまして。がむしゃらに観まくった結果、フェーズ3の『アントマン&ワスプ』にまで辿り着けたのですよ。
即ち残すところ『アベンジャーズ/エンドゲーム』と『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のみ。んで特に前者はMCUの集大成みたいな作品じゃないですか。なのでちゃんと集中して観たいんですよ。
てなわけで家でゆっくりと観る時間を探ってはいたんですが………まぁ時間がない。リアルはちょっと忙しめだし、かといって他の趣味も疎かにはできないし。
あれよあれよとしているうちに、遂に最後にMCU作品を見てから1ヶ月が経過してしまったわけでございます。
そんなわけで「このままでは『〜エンドゲーム』の感動が薄れてしまう!!!」と微々たる焦燥感に駆られているのであります。どうにかして時間を作らねば………
流石にフェーズ3の記事を書く前までには観ておきたい。『〜エンドゲーム』を観ずしてフェーズ3を語るとは何事か!!といった感じですし。
また一旦他作品の記事を挟んでから執筆に取り掛かろうかなぁと思います。どうか暫し辛抱を………と、いうわけで今回はこの辺で。
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それではまた、次の映画にて。