絡み合う陰謀、画策、そして信念。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
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『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
("Mission: Impossible - Rogue Nation")
あらすじ
IMFのベテランエージェントであるイーサン・ハントは、近頃IMFを騒がせている謎の秘密組織「シンジゲート」の情報を得るべくロンドンを訪れる。
指令を受けるためにテープを流すイーサンだったが、突然イーサンの部屋にガスが充満。IMFのロンドン支部は既にシンジゲートの手に落ちており、イーサンは敵に捕らわれてしまう。
情報を吐かせるべく拷問されイーサンは絶体絶命のピンチに陥るが、突如としてシンジゲートに所属する謎の女に助けられ、敵の拠点から脱出することに成功する。
イルサと名乗る女はイギリスの情報機関「MI6」の諜報員であり、シンジゲート内部の情報を得るべく潜入捜査していた。目的が一致したイーサンとイルサは、イーサンの仲間達を招集し調査に取り掛かろうと試みる。
だがIMFは、またもや存続に危機に陥っていた。IMFの法律を度外視した行動を問題視していたCIA長官のアランはIMFを解体するという強行手段に走り、CIAに吸収されてしまう。
さらに謎の組織「シンジゲート」はIMFを存続させるための仮想の組織とし、そんな組織を秘密裏に追っているエージェントであるイーサンを国家の反逆者とし、国際指名手配犯と仕立て上げた。
信じられるのはごく僅かな仲間達と、確かなる情報、そして己の腕のみ。再び、イーサンの前に「突破不可能」な任務が立ちはだかるのだった。
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作品概要
シリーズ4作目。『ユージュアル・サスペクツ』など、ブライアン・シンガー監督作品で脚本を務めたクリストファー・マッカリーが監督に抜擢された。
以後の作品は全てマッカリーが監督と脚本を務めている。
前作では任務に参加していなかったルーサーが、同じく天才ハッカーであるベンジーと共に登場。今作ではこの二人が、イーサンのサポートに徹する。
そしてレベッカ・ファガーソン演じるイルサ・ファウストがヒロインとして初登場。MI6のエージェントとしてイーサンと共闘する。
他にもジェレミー・レナーが前作に引き続き続投し、また今作の悪役としてショーン・ハリスも出演している。
今作では、イーサンたちが所属する組織であるIMFがまさかの解体。今度こそ、イーサンは一切の後ろ盾なく任務を遂行しなければならない状況に。
CIAにも追われシンジゲートにも追われ、今までにないぐらいの絶体絶命の状況に置かれているイーサン。しかし何故だろう、彼ならどうにかしてくれる気がしてしまうのは………
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そして前作における「ビルの外壁登り」に続いて、今作でもトムによる超突飛なアクションが満載。その代表例が、ポスターにもある飛行機に実際にしがみつくシーンである。
普通ならCGを用いた合成で撮影していくところを、彼は本当に飛行機にしがみついて撮影を行っている………それも手に命綱「のみ」をつけた状態で。
撮影当時のトムの年齢は53歳。この時の製作陣の心労や如何に………
他にも『2』で行ったようなノーヘルでのバイクの運転や、6分間もの間息を止めての水中撮影など、シリーズが続いていくたびに人間離れしていくトム。
過去に『アウトロー』などでトムとタッグを組んだクリストファー・マッカリー、そして無謀ともいえるトムのスタントアクションが組み合わさり、『M:I』シリーズの作風は遂に統一されたと言えるだろう。
絶対的なる「不可能」へ。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
("Mission: Impossible - Fallout")
あらすじ
イーサンたちの活躍により、シンジゲートの指導者であるソロモン・レーンを逮捕してから2年後。
シンジゲートの残党は「アポストロル」という組織を結成させ、かつてレーンが成し遂げようとした混沌に満ちた世界を実現させようと画策していた。
彼らの目的とは、核爆弾を起動させるための3つのプルトニウム。彼らより先にプルトニウムを奪取すべく、イーサン、ベンジー、ルーサーは作戦に乗り出す。
彼らが機密に得た情報とは「ホワイト・ウィドウ」という武器商人が、ジョン・ラークという人物にプルトニウムの一つを売ろうとしていること。
ラークに変装しホワイト・ウィドウからプルトニウムを受け取るべく、イーサンはひねくれているが腕の立つエージェントであるオーガスト・ウォーカーと共にパーティー会場へ潜入する。
イーサンとウォーカーの2人はラークと思しき人物と接触することに成功したものの、そんな2人の元へ訪れたのはMI6のイルサ・ファウスト。
ラークに殺されそうになっていたイーサンをイルサは助けるが、変装は不可能に。仕方なく、イーサンはラーク本人になりすましてホワイト・ウィドウの元へ訪れる。
ホワイト・ウィドウの目的とは、プルトニウムを渡す代わりにレーンの身柄を引き渡すこと。そのためには警察の護送車を襲撃しレーンを強奪する必要があるが、それは同時に警官たちを犠牲にしなければならないことを意味する。
警官を手にかけることを躊躇ったイーサンは、周囲の人間の全てを騙し、ある突拍子もない作戦に打って出る。
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作品概要
シリーズ6作目。前作で監督を務めたクリストファー・マッカリーが再びメガホンを取っている。
2作品連続で同じ監督が起用されるのは、シリーズでは初。
レベッカ・ファガーソン、ショーン・ハリスらが前作から続投し、『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴィル、今夏公開『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』のヴァネッサ・カービーが新たに出演した。
今作はシリーズの中でも随一の高評価を得ており、海外の批評家サイト「Rotten Tomatoes」でも、高評価の割合が98%を超えているなど大絶賛を受けている。
ストーリーとしては前作『ローグ・ネイション』から地続きの話となり、前作の悪役だったソロモン・レーンも再び暗躍する。
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そして特筆すべきはやはり、最早シリーズお馴染みとなっているトムの常識外れなスタントアクションである。
今作では早速冒頭から、上空8000m地点からスカイダイビングするシーンが挿入されている。例の如く、トム自身が実際にスカイダイビングを行っているのだ。
他にもヘリコプターのロープにぶら下がる、ビルとビルの間を飛び移る………などなど、前作の飛行機にしがみつくシーンに勝るとも劣らない衝撃的な展開が盛り沢山なのである。
また今作、アクションシーンの密度がシリーズ随一の詰め込まれ具合なことでも定評がある。
バイクアクション、カーアクション、銃撃戦に近接格闘。2時間20分の中でぎゅっと詰められたアクションシーンたちは、さながらアクションのバーゲンセール状態である。
加えてミッションの緊張感もまたシリーズ随一のものであり、総じて内容の充実度が非常に高い作品となっている。今作をシリーズ最高傑作と呼ぶ人が多いのも頷けるだろう。
全ての過去、その帰結。『ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング』
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『ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング』
("Mission: Impossible - Dead Reckoning")
あらすじ
IMFの凄腕エージェントであるイーサン・ハントは、達成不可能とされてきた数々のミッションを達成し、幾度となく多くの命を救ってきた伝説の男だ。
ある日イーサンは、元MI6のエージェントであるイルサ・ファウストから「とある鍵を手に入れて欲しい」という知らせを受ける。
その「鍵」とは、二つの鍵を組み合わせることで一つの鍵となるものであり、その用途は不明。目的を明らかにされないまま、イーサンは砂漠へと向かう。
一方ワシントンDCでは、数々の情報機関のリーダーたちが一堂に会し、世界を新たに脅かしている「脅威」について話し合っていた。
その脅威とは、確固たる自我と圧倒的な思考力を持つ超高性能AI、通称「エンティティ」。あらゆるセーフティを潜り抜け、サイバー空間を自在に行き来することができるのだ。
今はまだ実害をもたらしていないが、いつかエンティティは世界を滅ぼすほどの力を得るだろうと予測するCIA長官のキトリッジ。
だがもし大国がエンティティをものにできれば、それは世界を掌握するほどの絶大な力がもたらされることを意味する。従って数々の国が、エンティティを手中に収めようと策略を巡らせていた。
憶測が飛び交う中、イーサンは会議室に変装して潜入。イルサがイーサンに依頼した「鍵」とはエンティティを制御するための鍵であり、イーサンは既に片割れの一つを手に入れていた。
もう一つの片割れの鍵を入手し、エンティティを破壊することを決意するイーサン。だがそれは同時に各国の諜報機関、そしてエンティティからの「刺客」に襲われることを意味していた。
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作品概要
シリーズ7作目。公開時のタイトルに『~PART ONE』と記されていることから、シリーズでは初の二部作構成のタイトルとなった。
クリストファー・マッカリーが引き続き監督と脚本を務め、新キャストとしてヘイリー・アトウェルやポム・クレメンティエフが出演。
キトリッジ役のヘンリー・ツェニーが『M:I』以来、約30年ぶりのカムバックを果たしたことでも話題となった。
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これまでのシリーズにおいて、様々な悪役がイーサンたちを苦しめてきた。彼らはそれぞれ多種多様な思想を抱いており、確固たる意志で悪行をなそうと試みてきた。
そして来る今作における悪役とは、なんと「AI」。無限に学習し続け、世界を滅ぼし得る力を持つ強大な存在だ。
今までの悪役が概ね人間、人間、人間と来て、急にSF映画に出てくるようなボスが出てくるとは、製作陣も思い切ったことをしたものである。
崇高なる目的もなければ悪意もなく、ただただ己の欲望の向くままに学習し、世界を混乱に陥れる存在。文字通り史上最大の敵と言っても過言ではないだろう。
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また今作では、初代『M:I』を意識したような要素がいくつか散りばめられている。
短髪にスーツという衣装は若かりし頃のイーサンとほぼ同じ格好であり、また列車上での戦いは『M:I』のラストシーンを彷彿とさせる。
今作で「ある仲間」が命を落としてしまうのも、初代『M:I』の序盤の作戦失敗シーンのオマージュともとれる。
そうした所謂「原点回帰」的な要素と、シリーズを追うごとに進化していったストーリーの規模感が組み合わさり、唯一無二の魅力を生み出していると言えるだろう。
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そしていつもの如く、今作でもトムによる常識外れなアクションが繰り広げられる。中でも「崖からバイクごと飛び降りる」というアクションは、宣伝等で何度もPRされた。
仮にうまく空中でバイクから降りることができなかったら、またはパラシュートがうまく開かなかったら、当然ながら即死の「リアル」インポッシブルなアクション。
その他にも、列車を実際に走らせてそのまま崖から落とすという凄まじい規模感のこともやってのけている。その様はまるで、トムの異常なまでのアクションへの執着度に製作陣も感化されているようだ。
例にもれず、今作もオーディエンスからの評価は高い。二部作の1作目という立ち位置ながら、シリーズ最新作として成功を遂げたと言えるだろう。
≪併せてこちらの記事もどうぞ≫
「不可能」を超えた先。『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
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『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
("Mission: Impossible - The Final Reckoning")
あらすじ
エンティティの使途であるガブリエルとの「鍵」の争奪戦に成功したイーサン。それから2か月後、事態はより深刻な状態となっていた。
更なる知識を学習し、今や世界で最も知能の高いAIシステムへと変貌したエンティティは、アメリカや中国といった核保有国の武器庫管理システムに侵入。
もしエンティティが全世界の核システムを支配してしまったら、全ての核ミサイルが発射され世界は一瞬で焦土と化してしまう。
これを阻止するべく、イーサンはガブリエルがいるとされるパーティー会場へ、新たにIMFへ加入したグレースと共に潜入するが、逆にガブリエルの手によって捕らえられてしまう。
「鍵」の奪取に失敗しエンティティから見放されたものの、逆にその「鍵」を以てしてエンティティを支配しようと目論むガブリエル。
エンティティを制御するためには、かつてイーサンが盗み出した「ラビットフット」という名のコア・モジュールが必要となり、それは深海に沈むロシアの潜水艦セヴァストポリにあるという。
その後ベンジーの助けによりガブリエルのもとから逃げることに成功するが、イーサンはアメリカ政府の元へ投降。現アメリカ大統領のスローンのもとへ、コア・モジュールを回収する許可を得ようと試みる。
エンティティのサイバー侵略は今も尚続いており、残された猶予はおよそ72時間。CIA長官のキトリッジの制止を振り切り、イーサンはセヴァストポリの座標まで向かうことに。
国を、世界を、そして愛する仲間たちを救うため、イーサンは挑む………史上最難関、最も「不可能」とされるミッションへ。
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作品概要
シリーズ8作目。前作『~デッド・レコニング』から地続きのストーリーが描かれる。監督と脚本はクリストファー・マッカリー。
製作開始当初のタイトルは『~Dead Reckoning Part Two』だったが、後に変更された。
基本的にキャスト陣は前作から変わらないが、6作目でCIA長官として登場したスローンがアメリカ大統領になっていたり、前作におけるキトリッジと同様に1作目の「ある登場人物」がカムバックしていたりと、変化が見て取れる。
タイトルにもあるように、今作は30年もの歳月をかけて描かれてきた『M:I』シリーズを締めくくるような作品となる。
超高性能AIであるエンティティが更に進化を遂げ、遂に世界を脅かす存在に。今までは国家の存亡をかけた物語が中心だったが、今作のミッションは訳が違う。
もし間に合わなければ世界各国から核ミサイルが発射され、世界は文字通り「滅亡」する。それを阻止するべく、イーサンたちは史上最大のミッションに挑む。
故に今作における緊張度の度合いはシリーズ随一と言っても過言ではない。約3時間もの上映時間の間、手に汗握る展開が連続するという凄まじい構成だ。
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そしてシリーズ恒例のトムによるトンデモスタントアクションも当然ながら健在。前作では崖からバイクごと生身で飛び降りる、という偉業と呼ぶに等しいことをやってのけた。
その時点で既にとんでもないことを成し遂げているのに、今作ではそれを優に超える………旋回しながら飛行する飛行機に飛び移り、そのまましがみつくというシーンが存在する。
「飛行機にしがみつく」というアクションは既に『~ローグ・ネイション』で行っているが、終盤の戦闘シーンがほとんどそのシチュエーションであるため、撮影はずっと飛行機にしがみついた状態で行ったと考えられる。
シリーズ最大級のハラハラする展開に度肝を抜きつつ、とうとうこのシリーズもここまで来たのか………とある種の感慨深さを感じられる今作。
仮にこの任務を終えたとしても、イーサンたちは今も尚どこかで「不可能」を乗り越え国を、そして世界を救っているに違いない。
今後のシリーズ展開
シリーズの集大成として描かれた『~ファイナル・レコニング』が今年公開され、その後の続編に関する情報は現時点では公開されていない。
タイトルに「ファイナル」とある通り、これが『M:I』シリーズ最後の作品になるのではないかという声も………
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これについて、イーサン・ハント役のトム・クルーズはこう発言している………「80歳までアクション俳優をやっていたい」と。
当時80歳のハリソン・フォードが『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』に出演し、身体は衰えているもののド派手なアクションを披露したことに感銘を受けたとのこと。
これが彼の単なるジョークであると思えないのは、やはりトムが今まで成し遂げてきた「偉業」に基づいているのは確かだ。
彼が再び驚天動地のアクションを繰り広げている姿を、スクリーンにて我々の目に焼き付けることができる日を心待ちにするとしよう。
まとめ(あとがき)
どうも水綿です。暑くなってまいりましたね。今日バイト先までチャリを漕いでいた時にセミの鳴き声を耳にしたり、はたまたエレベーターにバカでかい虫がいたりと、何かと夏を感じる瞬間が増えてきたような気がします。
あれやこれやとしているうちに上半期が終了。2025年も遂に半分を切ってしまったと………早い、早すぎる。
早く上半期の映画ランキングについて取り上げねばと焦りを覚える一方、最近色々とゴタゴタが片付いてきてゆっくりしたいという気持ちも………いやぁでも書かなくちゃな。怠けすぎるのは良くないのでね。
最近はSteamでモンハンワールドをよく遊んでいます。あまりここでは書かないけど、映画と同じぐらいゲームも大好きなもので。
そうなると比重って大事ですよね。偏りすぎても圧倒的によくないし。そのバランスが崩れた結果が1か月以上も記事を投稿していないという大惨事が起きるわけですけれども………
そんなわけで色々と精進せねばなぁと痛感する日々でございます。皆様もほどほどに頑張ってくださいね。
と、いうわけで今回はこの辺で。
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それではまた、次の映画にて。