その「狩場」からは、誰も逃れられない。『プレデターズ』
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『プレデターズ』
("Predators")
あらすじ
眩い閃光が走り、空中落下する中で目覚めた傭兵のロイスが辿り着いたのは、所在不明の謎のジャングルだった。
続いてロイスと同じく空から舞い降りた7人は合流し、このジャングルは一体どこなのか、何故この8人が集められたのか、そもそも何故空中落下をする前の記憶が一切ないのかを探り始める。
ジャングルの捜索を始めていくうち、そもそもこの場所は地球ではない「どこか」ということ、そして自分らは何者かによって「獲物」として狙われている、という事実が発覚する。
疑念を抱えたまま、ジャングルの奥地へと足を踏み入れる一行、そこで彼らは何者かによって作られたキャンプのようなものを発見する。
数多くの戦利品や武器などが飾られる中、大きな牙を持つ謎の人型生命体が括り付けられている、というあまりにも異様すぎる光景が広がっていた。
困惑する一同を他所に、同じく謎の生命体が3体も出現し、一同を襲撃。即座に彼らが自分らを獲物として付け狙う「何者」かの正体であると見抜いた一同は撤退し、体制を立て直すことに。
超高性能武器と圧倒的な身体能力を有する、謎の人型生命体。その姿は、かつて地球のジャングルにて特殊部隊を壊滅状態にまで追いやった地球外生命体、通称「プレデター」と酷似していた………
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作品概要
『AVP』シリーズを経て、約20年ぶりに公開された正真正銘の『プレデター』シリーズ3作目。ニムロッド・アーントルが監督を、ロバート・ロドリゲスが製作を担当した。
ウェス・アンダーソン監督作品に多々出演しているエイドリアン・ブロディが主役を演じ、他にもマハーシャラ・アリやローレンス・フィッシュバーンなどが出演した。
「人間」と「プレデター」、両者が真っ向勝負する作品は実に『プレデター2』ぶりとなる。
加えて作中では多くの初代『プレデター』オマージュに溢れており、ジャングルという舞台やラストバトルにおける主人公の装備など、長年のファンにとっては嬉しいサプライズが数多く見受けられる。
一作目ではプレデターがジャングルに降り立っていたが、今作ではその逆で人間がジャングルに降り立っている。
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そして今作で最も特筆すべきはやはり、『プレデター”ズ”』のタイトル通りプレデターが複数体登場していることだろう。
1体だけであれだけ多くの命を屠ってきたプレデターが、今度は複数体で「狩り」を行なってくる………考えるだけでも非常に恐ろしい絵面なのは最早言うまでもない。
とはいえ、複数体といってもプレデターが何十体いるわけでもなく、主人公たちと戦うのはほんの四体ほどだが。
しかし一方で、従来のシリーズでは象徴的に描かれていたプレデターの習性や慣習は、今作ではあまり見受けられない。人間の登場人物が揃って武装しているからだろうか。
ただし、登場人物の1人が一張羅でプレデターに戦いを挑もうとすると、プレデターもリスト・ブレイド1本で一騎打ちに臨むなど、象徴的なシーンも登場している。
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その代わり、プレデターの種族間での争いなど新たなる側面も見受けられる。人間にとっては等しく恐ろしいプレデターだが、そんな彼らにも我々と同じく上下関係的なものがあるようだ。
20年もの時を経て生み出された、誰も観たことのない新たなる『プレデター』の誕生の瞬間だ。
進化の鼓動、「狩り」の始動。『ザ・プレデター』
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『ザ・プレデター』
("The Predator")
あらすじ
アメリカ陸軍・特殊部隊所属のスナイパーであるクインは、ある日の任務中に空から墜落してきた宇宙船を目撃する。
宇宙船から出てきたのは、宇宙最強のハンター・プレデター。武装していた隊員を皆殺しにしたプレデターはそのまま逃亡し、生き残ったリックは隊員殺害の冤罪を着せられ軍に捕縛されてしまう。
一方、生物学を専攻する科学者であるケイシー博士は、政府からある秘密組織への招待を受ける。
組織の名は「スターゲイザー」。1987年、そして1997年に地球へと襲来したプレデターを研究する組織であり、施設の中にはかつてクインが交戦したあのプレデターが、麻酔による昏睡状態で捕獲されていた。
しかしケイシー博士が到着するや否や、プレデターが覚醒。施設の職員や警備員を惨殺したのち、とある「信号」の元を辿って施設を後にした。
「信号」の元とは即ち、プレデターの標準装備となるヘルメットとガントレット。クインが捕まる前に宇宙船から回収し、自宅に保管していたものだ。
プレデターの向かう自宅にはクイルの息子が。このままでは危ないと、クイルは軍刑務所で出会った退役軍人たちと共にプレデターを追跡し始める。
行く先々でプレデターと遭遇し、その度に苛烈な戦いを強いられる一同。だがそこへ、一際巨大なプレデターが出現する。
遺伝子組み換えによって、より強大な力を手に入れたプレデター。混沌と化した戦場は、更に「進化」する………
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作品概要
シリーズ4作目。初代『プレデター』にて主人公の部隊の隊員であるホーキンスを演じたシェーン・ブラックが監督を務めた。
『LOGAN/ローガン』に悪役として出演したボイド・ホルブルックや、アカデミー受賞作『ムーンライト』にて主役を務めたトレヴァンテ・ローズが出演した。
『プレデターズ』から8年の時を経て、再び始動するプレデターとの壮絶なる「狩り合い」。
今作ではシリーズ初となるR-15指定の作品となっており、流血や人体破損などのゴア描写が多く見受けられる。
数多くの装備を備えているプレデターが、如何にして人間を「狩って」いくのか、というのはもしかするとシリーズの醍醐味と言えるかもしれない。
今作でも、リスト・ブレイドに貫かれる、ブラスターに頭を吹っ飛ばされる、強靭な顎に噛みつかれる、などなどパターンは様々。血もブシャブシャ出るので見応え抜群だ。
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また「遺伝子組み換えによって強化されたプレデター」という、今までにない新種のプレデターも出現。その強さは無論、シリーズの中でも最強格となる。
作中でも『プレデターズ』と同じくプレデター同士の戦いが繰り広げられるわけだが、今作では新種が圧勝。我らがプレデターが呆気なく殺されてしまう様は、なんだか少し寂しい気も。
しかし今作、『AVP2』や『プレデターズ』に続き批評的にイマイチな結果となってしまっている。
その理由とは、プレデター最大の特徴の一つである「武士道的な精神」が、前2作に続きあまり見受けられないのが原因なのではないかと考えられる。
『AVP2』ではそもそも登場してきたプレデターが、プレデターの種族における「掟」が適応されない種だったから仕方ないものの、
『プレデター2』や『AVP』のようなプレデター特有の習性が見受けられないのは若干もの寂しさを感じてしまう。
かつて夢の共演を果たした『エイリアン』シリーズも、当時評価があまり芳しく無かったなど両者とも苦戦を強いられていた。果たしてこの二つのシリーズを救う、救世主のようなタイトルは現れるのだろうか………
Hunt, or be Hunted.『プレデター:ザ・プレイ』
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『プレデター:ザ・プレイ』
("Prey")
あらすじ
1719年、北アメリカのグレートプレーンズ。コマンチ族の若い女治療師であるナルは、同じ部族であり戦士である、兄のタアベに憧れを抱いていた。
いつか一人前の戦士になることを夢見て、村での生活を営む傍ら己を強くするため鍛錬に打ち込むナル。
だがそんな村では、様々な不可解な現象が起こっていた。皮を剥がれたバッファロー、惨殺された村の戦士、そして謎の飛行物体。
謎を解明すべく村では調査部隊が結成され、ナルは手柄を上げるべくそのチームに加わることに。村に異変をもたらす「何者か」を狩れば、ナルは晴れて戦士となれる。
緑に囲まれた密林の中、彼らが目にしたのは………全身を透明化させた「何者か」だった。まるでそれは、密林そのものが生きているかのよう。
遠い星から地球に突如として降り立った、全てを狩り尽くすハンター「プレデター」。未だかつてない邂逅に、コマンチ族、そしてナルの運命は大きく動き出す。
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作品概要
シリーズ5作目。1作目からはるか昔の出来事、つまり『プレデター』シリーズの前日譚にあたる。
Amazon Prime Videoの独占配信ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』にて監督及び製作総指揮を務めたダン・トラクテンバーグが監督を担当。ネイティブ・アメリカンで知られるアンバー・ミッドサンダーが主演を務めた。
劇場公開用ではなく配信用作品として制作された。アメリカではHulu、日本ではDisney+にて視聴可能。
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1719年、つまり開拓がまだ進んでいない時代のアメリカを舞台に、プレデターと人類の最初の邂逅がテーマとなる。
先の文章にて先述しているように、プレデターの特徴の一つとして挙げられるのが透明化装置をはじめとするハイテクな装備だ。故に人類も、銃などの武器を用いてプレデターに対抗せねばならない。
しかしながら、時は1700年代。今回のプレデターの標的となるインディアン部族たちには当然、銃なんてものは持ち合わせていない………あるのは弓矢や槍などの原始的な武器のみ。
つまるところ要するに、今までの戦いの何倍以上に人類側が劣勢に立たされているのである。プレデターと相見えた時の緊張感も、今までのものとは比べ物にならない。
ちなみにプレデター側も、メインウェポンであるプラズマ・キャノンが弓矢を発射するボウガンになっていたりと、装備がやや原始的となっている。それでもハイテクなのは変わらないが………
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今まではプレデターが複数体出現したり、仲間割れしたり、或いは戦う相手が特殊部隊であったりと特殊なケースが多かった。
それゆえに、1人の人間、即ち戦士がプレデターに単身で立ち向かっていくという構図は、『プレデター』シリーズにおいては随分久し振りなこと。こうした展開はまさに、初代『プレデター』を彷彿とさせる。
かつてシュワちゃん扮するダッチ少佐が放った「血が出るなら殺せる」というセリフが長年の時を経て再登場するなど、オマージュも盛り沢山。
アクションの完成度や整合性のとれたストーリー、緊張感あふれる演出などが高く評価され、現在は同監督による続編制作の話も上がっている模様。
40年近く続くシリーズにおける、ある種の原点回帰を果たした上で、しばらく燻り続けていた人気の再燃までも成し遂げた、凄まじい快挙を遂げた作品であると言えよう。
今後のシリーズ展開
最新作『プレデター:ザ・プレイ』にて見事人気シリーズとして返り咲いた『プレデター』シリーズ、早速新作の製作が決定している。
ダン・トラクテンバーグ監督、エル・ファニング主演の『プレデター』新作、その名も『プレデター:バッドランズ(原題)』。来年11月7日に米国にて公開予定だ。
監督は『〜ザ・プレイ』に続き続投しているが、『〜ザ・プレイ』の続編ではなく未来を舞台とした完全新作であり、今度は劇場映画として公開される。
また他にも『〜バッドランズ(原題)』公開前にもう一本、謎の『プレデター』シリーズのタイトルが公開されるとも噂されている。
ダン・トラクテンバーグ監督曰く『〜ザ・プレイ』の続編も構想しているとのことなので、期待を抱きつつ続報を待つとしよう。
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そして、かつてプレデターと死闘を繰り広げた『エイリアン』シリーズも、最新作『エイリアン:ロムルス』にて興行的・批評的にも成功を収め、こちらも人気の再燃を成し遂げた。
『エイリアン』シリーズに『プレデター』シリーズ、両者の人気が再燃したとなれば、再び夢の共演………新たなる『エイリアン VS. プレデター』が制作されるのも夢じゃないかもしれない。
『〜ロムルス』の監督であるフェデ・アルバレスは「実現するなら、ダン監督と共同監督で制作に臨みたい」と、かなり前向きな姿勢を見せている。
『プレデター』シリーズ新作に『AVP』新作、どちらもファンからは非常に強く望まれている計画だ。今後の続報に強く期待したい。
あとがき(まとめ)
今から大体2ヶ月前 。『エイリアン』シリーズの記事を執筆し、であれば『プレデター』シリーズも書かねばならないのでは!?という使命感に駆られた。
そして今、こうして記事を書き終えたわけだが、逆を言えば「記事を書こう!!」と志してから実に2ヶ月もの歳月が過ぎてしまったのである。
いつぞや自分の中で勝手に謳っていた「毎週一本投稿するぞ!!」という意気込みはどこへやら、マイペースに書き綴っていった結果このような執筆ペースとなってしまっていた。
自由気ままに更新していくことがこのブログのモットーとはいえこのままでいいのか………とふと思うが、まぁそれも良しとしよう。こうしてダラダラ投稿が続いていくんですけどね。
と、いうわけで今回はこの辺で。
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それではまた、次の映画にて。