シリーズ解説

史上最速、ハリウッドを大疾走!!『ソニック・ザ・ムービー』シリーズを一挙解説!!

2025年1月6日

『ソニック・ザ・ムービー』シリーズとは?

Nintendoにおけるマリオnamcoにおけるパックマンのように、ゲーム会社にはそれぞれ「マスコットキャラクター」が存在する。文字通り、その会社の「顔」となるキャラクターだ。

上記の会社と肩を並べるほどの知名度を誇るSEGAもまた、会社を代表するキャラクターが存在する………それこそが「ソニック」というキャラクターだ。

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本名は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。困っている人はどうしても放っておけない、強い正義感の持ち主だ。

そんなソニックの最大の特徴は、やはりなんと言っても圧倒的なまでのスピード。その速さは音速をゆうに超え、「史上最速のハリネズミ」と呼ばれている。

1991年にシリーズ第1作『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』が発売されて以来、その知名度は鰻登りに。特に海外では、日本国内の何倍もの人気を叩き出した。

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さてそんなソニック、なんと2020年にハリウッド映画化。コロナ禍という厳しい状況下にはあったものの、北米におけるビデオゲームの映画化の興行収入において、歴代最高の記録を打ち立てた。

現在では続編が2作品公開されており、それぞれ魅力的なキャラクターたちが登場している。更なる続編も制作が決定されており、今後の続報に期待大だ。

「史上最速のハリネズミ」、そこがゲームの世界だろうとハリウッドの世界だろうとお構いなし。全身全霊、全速力で駆け抜けろ!!!

「超音速」の世界から。『ソニック・ザ・ムービー』

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『ソニック・ザ・ムービー』

("Sonic the Hedgehog")

あらすじ

宇宙のどこか、平和な星で暮らしていたソニック。音速をも超える俊足で、今日も今日とて星中を駆け巡っていた。

だがそんなある日、ソニックの圧倒的な力を狙って星の部族からの襲撃を受けてしまう。ソニックの育ての親であるロングクローは、ソニックにリングを渡し他の星へ逃げるように促す。

そこから1年後………地球にたどり着いたソニックは、人の目から逃れつつグリーンヒルズの小さな町にて1人、悠々自適に暮らしていた。しかし家族はおろか、友達すら1人もいないソニックは、強い孤独感を抱いていた。

このまま一生、ずっと1人で生きていくのか………そう考えたソニックの力は暴走し、大規模な停電を発生させるほどの電磁パルスを放出してしまう。

未曾有の事態に、町では騒ぎが起こるどころかアメリカ政府までもが動き出す羽目となってしまい、結果としてソニックはから狙われることとなってしまう。

さらにソニックは、追っ手から逃れるべく町を出ようとすると、うっかり町の人と遭遇。町の警官として働くトム・ワカウスキー(通称「ドーナツ卿」)に存在がバレてしまうのだった。

軍の代わりに政府から派遣されたのは、高明な天才科学者だが危険人物扱いされているドクター・ロボトニック。無数のドローンを率いて、ソニックの捜索を開始する。

一方ソニック、トムに遭遇したことで、星と星の間を瞬間移動できるアイテム、通称「リング」をどこかへ落としてしまう。

リングを取り返すため、ソニックはトムとの協力関係を結ぶが、いつしか2人の間には奇妙な絆が生まれており………?

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作品概要

シリーズ第1作目。SEGAゲームズパラマウント・ピクチャーズ共同で制作された。

ソニックの声優としてベン・シュワルツ『きみに読む物語』『X-MEN』ジェームズ・マースデン、そして『マスク』『トゥルーマン・ショー』ジム・キャリーが出演。ジェフ・ファウラーが監督を担当した。

原作のゲームにおいて、ソニックの最大の特徴とは即ち超高速でフィールドを駆け回り、敵を瞬く間に倒していく圧倒的爽快感にある。

そんな疾走感溢れるアクションは実写映画でも十分に描写されており、とにかく観ていてとても気持ち良い。軽口を叩きながら戦うソニックの姿まで、原作そのまんまだ。

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そんなソニック、作中では最高にクールかつキュートなキャラクターとして描かれる。

青い光の尾を引きながら、超音速で大地を駆け巡るソニックが兎にも角にもカッコよすぎるのは言うまでもない。トムという仲間を守るために、命を賭してでも戦う姿は文字通り「主人公」そのものだ。

しかしながら、その強さに負けないほど寂しがり屋なソニックもまた特徴的だ。トムと共に、地球でやり残したことを叶えていく姿はとても愛くるしい。

総じてゲーム版のものとは似て異なる、本シリーズならではの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を堪能することができる。ハリウッド映画化様様というやつである。

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またもう一つ特筆すべきは、ジム・キャリー扮するヴィラン、ドクター・ロボトニックの存在だ。ジム・キャリーと言えばご存知の通り、コメディ俳優のレジェンドとして名を連ねる名優だ。

悪役らしい邪悪さは持っているものの、同時にジムが演じることで生まれるコミカルさも併せ持っており、それが見事なる調和を産んでいるのである。

今作『ソニック・ザ・ムービー』の主役は当然ソニックであるが、同時にジム・キャリーの怪演にも注目していきたいところ。初の悪役を務めた彼の存在感は、どんなシーンにおいても凄まじいものとなっている。

超音速・対・超怪力。『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』

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『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』

("Sonic the Hedgehog 2")

あらすじ

ドクター・ロボトニックを打ち倒し、グリーンヒルズに受け入れられるようになったソニックは、トムとマディ夫妻の家で暮らしていた。

自らの内に宿ったを、ただ逃げるためではなく「正しいこと」に使おうと決心したソニックは、夜な夜な悪党退治をするように。

だがその力は余りにも強力であり、まだまだ精神的に未熟なソニックはそれを扱い切れていなかった。

それに見かねたトムは、ソニックに自分の力を制御できるように諭す。ソニックもまた、皆の平穏な暮らしを守るためにトムと約束を交わすのだった。

その後、トムはマディの姉であるレイチェルの結婚式に出席するべくハワイに向かう。その間、トムはワカウスキー宅でお留守番することに。

誰もいない家内で1人、お留守番を全身全霊でエンジョイするソニック………だがその平穏は、不運にも長くは続かなかった。

ワカウスキー家を尋ねたのは、かつてソニックが宇宙の果てへ追いやったはずのドクター・ロボトニック。彼はある強力な「助っ人」と共に、地球へと帰還したのだという。

巨大なと、ソニックとは対照的な真紅の身体を持つ戦士、その名も「ナックルズ・ザ・エキドゥナ」。全てを打ち砕くほどの圧倒的なパワーを持つハリモグラだ。

ソニックの圧倒的なスピードも、ナックルズの圧倒的なパワーの前では歯が立たない。万事休すかと思いきや、ソニック側にも意外な「助っ人」が参上する。

二つの大きな尻尾を持つキツネ「テイルス」は、ロボトニックとナックルズの目的とは、強大な力を持つ宝石「カオスエメラルド」を手にすることだとソニックに伝える。

困っている人は放って置けないタチのソニックは、ロボトニックたちの野望を阻止するべく、テイルスと共に地球を股にかける大冒険に出発することに。

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作品概要

シリーズ2作目。前作のヒットが起因してか、原作のキャラクターたちが登場するなど大幅なアップデートが施されている。

監督はジェフ・ファウラーが、キャストはベン・シュワルツやジム・キャリーらが続投。新たなキャストとして、ナックルズ役に『ザ・スーサイド・スクワッド』イドリス・エルバが抜擢された。

今回新たに登場したテイルスとナックルズは、原作ではどちらも『ソニック』シリーズにおけるスタメン的存在。所謂「信号機トリオ」として、ソニックと共に数多のフィールドを駆け巡ってきた。

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二つの尾をヘリコプターのように回転させ高速で飛行することができるテイルスは、様々な発明品を作り出すことのできるメカニック的存在。

性格はソニックと比べるとやや内気だが、その腕で様々な局面で幾度となくソニックを助けてきた。

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一方ナックルズはソニックのライバル的存在であり、原作でも幾度となくソニックと戦いを繰り広げている。非常に真っ直ぐな性格を持つ、文字通りの「熱血漢」だ。

トムとソニックのロードムービー的な印象が強かった前作だが、今作は原作を彷彿とさせるアドベンチャー・ムービーとなっている。

原作でも非常に重要なアイテムであるカオスエメラルド、より「エッグマン」らしい見た目に近づいたロボトニックなど、今作から『ソニック』の世界観は一気に広がったと言える。

おちゃらけたソニック、キュートなテイルスに、真っ直ぐすぎてアホの子なナックルズ、そしてよりコメディチックに進化したロボトニック。絵面のワチャワチャ感だけでもかなり楽しめる作品となっている。

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