2024年まとめ

【2024年まとめ】上半期・個人的ランキングBEST10!!

はじめに

紳士淑女の諸君ご機嫌よう。このブログの運営をしております水綿でございます。

ここ最近はシリーズ解説モノばっかり書き連ねておりましたが、2024年も半分を切ったということで上半期のベスト10でも決めようかなと。

例年通り、ランキングは筆者の個人的な見解によるものです。「この映画が入ってないのおかしいだろ!!」という意見が出るかもしれませんが、そこは何卒お手柔らかに。

それではどうぞ!!

《2023年・上半期/下半期のランキングはこちら

10位

https://eiga.com/movie/101249/photo/

『ルックバック』

("Look Back")

大人気漫画『チェンソーマン』の作者である藤本タツキが手がけた短編漫画を、ジブリ作品にて数多くのアニメーションを手がけた押山清高がアニメ映画化。

漫画家を志す2人の少女が出会い、そこから紡がれてゆく青春運命を描いた今作は、刊行されるや否や多大なる評価を得ることに。

6月28日にアニメ映画が劇場公開され、瞬く間に大ヒットを記録。同じくアニメ映画である『THE FIRST SLAM DUNK』『BLUE GIANT』に並ぶほどの高評価を得た。

「描くこと」に情熱を燃やす少女2人、そこから生まれる友情と青春は兎にも角にも美しく、眩しく、それでいて残酷である。

時に心が折れようとも、時に不条理に直面しようとも、それでも前を向いてひたむきに、がむしゃらに描き続けるその「後ろ姿ルックバック」。

躍動感溢れる、タツキ先生の絵柄がそのまま動いているかのようなアニメーション含め、まさに奇跡のような化学反応を起こしているかのような映画だ。

漫画でも何でも、我を忘れるほどに「何か」を作ったことのある人には凄まじくブッ刺さる作品なのではなかろうか。と個人的に思う。

9位

https://eiga.com/movie/96015/gallery/10/

『デューン 砂の惑星 PART2』

("Dune: Part Two")

『メッセージ』『ブレードランナー2049』を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴによるSF超大作『DUNE/デューン 砂の惑星』、その続編

前作に引き続きティモシー・シャラメレベッカ・ファガーソンゼンデイヤらが出演。

新キャストとしてオースティン・バトラーフローレンス・ピューレア・セドゥらが登場した。

ここから物語が大きく動き出す………というところでエンドロールが流れ出す、といういやらし〜い焦らせ方で幕を閉じた前作『DUNE/デューン 砂の惑星』。

そんなわけで今作は、舞台となる惑星アラキスを巡った大戦争が繰り広げられることに。故にスクリーンでの迫力はそりゃもう凄まじいことに。

数多の戦士たちが剣を交える大合戦、天地を揺るがす大爆発、そして我々観客にまで迫り来るサンドワーム

撮影もIMAX画角にて行われており、まさに巨大スクリーンで観ることを推奨どころか前提で作られたような作品だ。

これを「”真の”究極の映像体験」と言わずして何と言おうか。その怒涛の勢いは、数多の人々を映像の魔力という砂漠の砂塵へと飲み込むに至ったのである。

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8位

https://eiga.com/movie/97036/photo/

『ゴールデンカムイ』

("GOLDEN KAMUY")

野田サトル原作の、週刊ヤングジャンプにて連載中の漫画『ゴールデンカムイ』が、『HiGH&LOW』を手掛けた久保茂昭により実写映画化。

『キングダム』シリーズにて大活躍中の山崎賢人が主演を担当し、舞台が北海道ということで撮影も北海道の現地にて行われた。

「漫画原作の実写映画」と聞くと、特にここ日本ではあまり良いイメージを持たれていないのが現実だ。

だがごく稀に(と言ったら失礼かもしれないが)原作を圧倒的な完成度を以てして再現した映画が公開されているのもまた事実。

今作もまた、そんな「成功例」の一つに数えられるのではないかと思う。その最たる要因として考えられるのは、今作の製作に対する徹底的なこだわりだ。

原作者の野田サトルが脚本監修を行い、また劇中に登場するアイヌ文化も実際のアイヌ工芸家が制作に加わり、細部に至るまで再現

加えてアクションシーンの完成度も極めて高く、真冬の北海道というロケーションも相まってか演者の演技も際立っている。

7位

https://eiga.com/movie/98575/gallery/26/

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

("Godzilla × Kong: The New Empire")

ワーナー・ブラザースレジェンダリー・ピクチャーズの合同プロジェクト「モンスターバース」最新作。

前作『ゴジラvsコング』にて死闘を繰り広げたゴジラコングの二匹が、今度は共闘。地球の奥深くに潜む脅威に対抗すべく、二大怪獣が手を組むことになる。

これまでの作品で、様々なモンスターたちと幾度となく激闘を繰り広げてきたゴジラとコング。

今作ではシリーズ最多と呼べるほど多種多様なモンスターたちが登場。そんな彼らが、時にゴジラやコングに反発し、時に手を組む姿を拝むことができる。

加えて今作はモンスターたちの表情がとっても豊か。セリフを喋ることは一切ないのにも関わらず、一瞬で彼らの喜怒哀楽がわかってしまうほどに分かりやすい。

また従来の作品に倣い、モンスター同士のバトル(「怪獣プロレス」なんて言ったりもする)もとにかくド派手。

怪獣映画では最早十八番同然である市街地でのバトルも健在。ビルを容赦無く破壊しまくりながら暴れ回る姿は、やはりいつの時代も痛快極まりない。

シリーズの中で最も低い予算で制作されたらしいが、結果としてシリーズ最高の興行収入を叩き出すに至った。ゴジラとコング、最強怪獣コンビの快進撃はまだまだ続く。

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6位

https://eiga.com/movie/100426/gallery/34/

『青春18×2 君へと続く道』

("18×2 Beyond Youthful Days")

『余命10年』など、近年話題作を輩出し続けているヒットメーカー、藤井道人監督による最新作。

18年前、日本から来たとある少女との青春を振り返りながら旅をする、というラブロマンス×ロードムービー。

特筆すべきはやはり18年前の回想の部分。それぞれが想いを抱えつつ、麗しき想い出を紡いでゆく様が兎にも角にも美しく、情緒をこれでもかと揺さぶってくるのである。

恋とは愛とは、こうも美しきものだっただろうか………と誰もが思わざるを得ないほどの眩しさ。2024年上半期で最も「美しい」映画と言ってもいいかもしれない。

だが物語的に肝心なのは「過去」ではなく「現在」。18年前の青き春を回想しつつ、大事な何かを失ってしまった主人公が前を向いて旅をしていく様は実に心地良い。

旅の途中での予期せぬ出会い、胸に穴が開くような喪失感、それらを全て乗り越えていく姿、それもまたこの映画が秘めし魅力と言える。

美しくも哀しい、そんな思い出を振り返ってこそ生まれる「勇気」を貰うことのできる、総じて観終わった後に清々しい気分になれる映画だ。

5位

https://eiga.com/movie/98959/photo/#google_vignette

『マッドマックス:フュリオサ』

("Furiosa: A Mad Max Saga")

2015年、ハリウッドのみならずアクション映画の歴史にその名を刻んだ「神話」こと『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

そんな『〜怒りのデス・ロード』に登場した、大隊長フュリオサオリジンを描いたのが今作『マッドマックス:フュリオサ』だ。

これまでシリーズ全作品を手掛けてきたジョージ・ミラーが監督・脚本・製作を担当。年齢的にもう大分お爺ちゃんだが、彼のMADな創作意欲はまだまだ冷めない模様。

キャストには、現在絶賛ブレイク中のアニャ・テイラー=ジョイ、そして『マイティ・ソー』で馴染み深いクリス・ヘムズワースらが出演した。

『マッドマックス』シリーズといえばやはり、歪なデザインの改造車をはじめとする超ド派手なカーアクション

前作でも「どんな脳味噌してたらそんなデザイン思いつくの」とツッコミを入れたくなるほどに異形の改造車が多数登場。全世界の観客たちの度肝を抜いた。

そんなMADなスタイルは、最新作である今作でも健在。荒れ果てた世界での狂いに狂いまくったカーチェイスは見ものである。

加えて今作は、家族を奪われたフュリオサが命をかけて復讐を果たさんとする、壮絶な復讐劇という側面も併せ持つ。

ある意味原点回帰とも呼べる「復讐」にフォーカスを当てたストーリーもまた見所だ。究極の「MAD」へと達したこの物語を、是非とも劇場で堪能すべし。

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4位

https://eiga.com/movie/100753/photo/

『ディア・ファミリー』

余命僅かな娘を救うべく、人工心臓を作ろうと奔走する、たった1人の父親………。

『君の膵臓をたべたい』『響 -HIBIKI-』を手掛けた月川翔が監督を務め、大泉洋が主演を演じた。

余命宣告をされた娘と、そんな彼女を救うべく試行錯誤する家族………と聞くと「いつもの御涙頂戴系ムービーか………」と思う人もいるだろう。かつての私もそうだった。

事実、今作も序盤〜中盤はそういったニュアンスでストーリーが進んでいく。涙腺が緩むシーンも確かにあるにはあるが、それでもやはり飽和気味な印象を受けてしまう。

ところが中盤を超えた先あたりから、物語は予想外の方向へと傾き始めるのである。詳しくは語れないが、観る前に予想していた展開とは大分異なるものだ。

その命を救えども救えなくとも、固く結ばれた「家族の絆」だけは正真正銘本物であり、それが実を結ぶ瞬間の美しさは筆舌し難い。

総じて今年一番(暫定)のボロ泣きをしてしまった作品である。映画でボロ泣きしたい方は是非ともオススメしたい。

3位

https://eiga.com/movie/101495/photo/

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』

("Bad Boys: Ride or Die")

ハリウッドを代表するスター、ウィル・スミスのデビュー作となったアクションシリーズ『バッドボーイズ』から新作が登場。

バディ役を演じるマーティン・ローレンスと再び共演を果たした他、前作『〜フォー・ライフ』に引き続きアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーの2人が監督を担当した。

1995年に1作目が公開された『バッドボーイズ』シリーズも、来年の2025年で30周年。いくら時が経とうとも、最強バディ2人の大暴れはやはり止まらない。

時にショートコントよろしくふざけ合い、時に息を一つに合わせて暴れ回る………毎度新作を目にする度に確信する、「ハリウッドに必要なのはやはりコイツらだ」と。

だが最も特筆すべきは、シリーズ最高峰と言っても過言ではないほどのアクションの密度、そしてそれを忙しなく追い続けるカメラワークだろう。

戦場を駆け巡るが如く動き回るカメラワークを始め、銃を主観として切り替わる画面、そのどれもが従来のアクション映画とは一線を画すものだ。

マイクとマーカスの2人のギャグ、前作からの新メンバーの活躍含め、常に全速力で突っ走り続ける2時間。新たなる時代にて生まれ変わった『バッドボーイズ』を刮目せよ。

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2位

https://eiga.com/movie/100133/gallery/11/

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

浅野いにお氏による小学館連載の同名漫画を原作としたアニメ映画。前章・後章の二部作からなり、ここではどちらも合わせて取り上げていく。

主演2人の声優を務めたのは、邦楽界隈にて高い人気を維持し続けている音楽ユニット「YOASOBI」にてボーカルを務める幾田りらと、同じく話題沸騰であるシンガーソングライターであるあの

他にも諏訪部順一津田健次郎内山昂輝など、著名な声優が集結した。

平和な日常に突如として飛来した宇宙人の「母艦」、地球は未だかつてない未曾有の危機に襲われた!!!

………かと思いきや母艦は砲撃を始める訳でも侵略を開始する訳でもなく、ただただ宙に浮かぶのみ。最初は慌てふためいていた人類も、次第に母艦をただの「日常風景」としか思わなくなるように。

かくして成立した「非日常すぎる」日々。そんなヘンテコな世界で繰り広げられる、少女たちの「青春」の行く末とは………といったストーリー。

浅野いにお先生のポップな絵柄がそのまま映像になったかのような、個性的かつ色鮮やかな作画が特徴。ストーリーもそんな世界観に準じて、基本的にのほほんとしている。

だがその一方で、シリアスな場面はとことんシリアスなのも特徴的。こうした神妙な雰囲気が、可愛らしい作画とのギャップを生み出している。

「これで平然としてるなんてお前らどうかしてるだろ!!!」と思わずツッコみたくなるほど奇抜な世界観、及びストーリー。

だが「何か」がおかしい日常で、何食わぬ顔で日々を過ごす人々。それは果たして、この物語における登場人物たちだけなのか………という解釈もできなくはない。

いずれにせよ、所々にエグ味を差し込んでくる度し難い作品なのは最早言うまでもないだろう。平和そうな絵柄をしつつも、そういった皮肉まで入れ込んでくるとは畏れ入った。

しかしだからこそ生まれるいい意味での異質感、そして主役2人が繰り広げる日々は狂おしいほどに愛おしい。総じて青春劇として高い完成度を誇っていると言えよう。

歪んだ世界で輝く、少女2人の何者にも代え難い絆と友情。2人はお前ら宣戦布告する………「敵うはずないぜ」と。

1位

https://eiga.com/movie/99887/gallery/10/

『オッペンハイマー』

("Oppenheimer")

水綿的2024年上半期No.1に輝いたのはこちら………「原爆の父」ことJ・ロバート・オッペンハイマーの苦悩と葛藤、栄光と没落を描いた伝記映画『オッペンハイマー』だ。

監督と脚本、製作を巨匠・クリストファー・ノーランが担当。前作『TENET テネット』からのスタッフも多く登用された。

主役であるオッペンハイマー役に抜擢されたのは、長らくノーラン作品の常連として出演してきたキリアン・マーフィ

その他にもエミリー・ブラントフローレンス・ピューマット・デイモンロバート・ダウニー・Jr.など、あまりにも豪華すぎる面々が集結した。

日本では今年3月に公開されたが、米国では去年7月に公開。この時点で既に超弩級の大ヒットを叩き出しており、また多方面から高い評価を得た。

『ボヘミアン・ラプソディ』を超え、過去の伝記映画の興行収入ランキングを一瞬にして塗り替えてしまった今作。その内容とは、一貫して「オッペンハイマーの贖罪」に準じている。

原爆、並びに「核」という世界の理を捻じ曲げてしまうほどのを創った、いや創り出してしまったオッペンハイマー。

彼の発明はやがて軍に渡り、戦時中に投下されたことで夥しい数の犠牲を出してしまった。間接的とは言えど、オッペンハイマーもまたそんな大量殺人に関わってしまった1人なのである。

故にオッペンハイマーは「永遠に」苛まれ続ける………世界を壊してしまったことの「罪」に。それはまるで、人類にを与え永遠の罰を受けることになったプロメテウスのよう………

今作『オッペンハイマー』は、そんなオッペンハイマー自身の視点に観客を代入させ、これでもかとオッペンハイマーの罪の意識を絶え間なく浴びせ続ける、一種のスリラー映画のようなものだ。

加えてオッペンハイマーが感じる「恐怖心」の演出もまた独特だ。スクリーンの中央に徹底してオッペンハイマーの表情を置き、彼の抱く恐怖を示唆するかのような演出は筆舌し尽くし難い。

………といった風に、伝記映画であるはずがまるでホラー映画のようなテイストが散りばめられている今作。

しかしながら、アナログな手法を用いることで成立している「ノーラン節」をはじめとする、他の映画では味わえない唯一無二の魅力は今作でも健在。

数多くの大ヒット作を手がけるもどれもノミネートだけに留まり、作品賞の受賞に届くことはなかったノーラン。

そんな彼が遂にオスカーの頂点に上り詰めた、その理由とはまさしくこの映画の制作にかけた「熱意」にあるのだろう。

オッペンハイマーの生涯、彼が犯した、その末路、他にも細部に至るまでノーランは描き切ってみせたのだ。

まさしく2024年に公開された映画の中で、最も歴史に深い切り込みを入れた映画と言えよう。世界がある1人の科学者によって「殺される」、その瞬間を見届けよ。

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あとがき(まとめ)

長らくご無沙汰しておりました、水綿でございます。

前回『バッドボーイズ』の解説から実に1ヶ月弱も更新を空けてしまっておりました。やっとブログが軌道に乗ってきたぞと調子に乗っていたからにこのザマですよ。

いやね、言い訳をすると学業が忙しかったのですよ。毎週課題たっぷり生活だし気づいたら学期末でめちゃくちゃ予定がタイト・オブ・ザ・タイトになってるし。

しかし安心して欲しい、8月ということで私はこれより夏休みモードに入るのである。それは即ち執筆に充てる時間がた〜〜〜くさん増えるということを意味するのであ〜る。

2024年上半期もまとめ終えたということで、これからも気まぐれにバンバン書いていきますよっと。前に宣言してたYouTube始めるよ〜て話もそろそろ着手せねば。

と、いう訳で今回はこの辺で。下半期も何卒よろしくお願いします!!!

それではまた、次の映画にて。

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