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はじめに
どうも水綿です。
早いもんで2025年も後半戦に突入いたしました。というわけで例年通り「上半期」に公開された劇場公開の映画たちをランキングで紹介していこうと思います。どうぞお楽しみください。
例によって「この作品無いのはおかしい!!」という意見があると思いますが、何卒ご容赦下さい………
10位 - 孤独な猫、世界を揺蕩う。
https://eiga.com/movie/102556/gallery/30/ 
『Flow』
ラトビア・フランス・ベルギーの合作で制作されたアニメーション映画。
第77回カンヌ国際映画祭における「ある視点」部門で上映され、各方面から絶賛の嵐が巻き起こり、第97回アカデミー賞では長編アニメーション映画賞を受賞した。
低予算のインディペンデント映画でアカデミー賞受賞まで漕ぎついたのは史上初の出来事。
ラトビア出身のギンツ・ジルバロディスが監督・脚本・製作・撮影・音楽・編集を担当。そして今作、アニメ映画であるのにも関わらずキャストが誰も参加していない。
https://eiga.com/movie/102556/gallery/17/ 
その理由とはシンプルで、今作で「人間」のキャラクターは一切登場せず、猫や犬、猿といった動物たちが主な登場人物だからである。
舞台は人類が滅亡した後(と思しき)の世界。主人公の「猫」は、徐々に水位が上がっていく奇妙な世界で大冒険を繰り広げる。
知っての通り、猫は大の水嫌い。加えて自分のテリトリーに入ろうとするものにとても敏感で、すぐ他者を拒絶してしまう。
しかし水没していく世界を旅していく中で、猫は様々な仲間たちと巡り合う。最初は疑わしく思っていた犬や猿、鳥などの仲間たちにも、徐々に心を開いていく。
セリフが一切なくともそれぞれのキャラクター性が分かりやすく描写されている点や、リアルに忠実な動物の動き、そして美麗なアニメーションによって描かれる映像美など、とても低予算で制作されたとは思えない完成度を誇っている。
動物LOVEすぎる筆者にとっては最高すぎる映画でした。エンドロールが流れる頃には、もう全員が愛おしくてたまらなかったです。
9位 - 最大の幸せとは、最大の不幸である。
https://eiga.com/movie/103179/gallery/44/ 
『岸部露伴は動かない 懺悔室』
("At a confessional")
荒木飛呂彦原作の大人気アクション漫画『ジョジョの奇妙な冒険』、そのスピンオフ作品である『岸部露伴は動かない』。
元は短編集として出版されていたが、2020年12月にNHKのもとでTVドラマ化。様々な方面から高い評価と人気を得た。
今作は、2023年公開『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』に次ぐ第二の実写映画。前作のルーヴル美術館から打って変わり、ヴェネツィアで全編撮影された。
監督は渡辺一貴、脚本はアニメ版『ジョジョ』にも参加している小林靖子。主人公の岸辺露伴を高橋一生が務めた。
https://eiga.com/movie/103179/gallery/10/ 
露伴は大人気漫画『ピンク・ダークの少年』を執筆している漫画家。そんな露伴は、人の記憶を本にして読むことができる「ヘブンズ・ドアー」という能力を持つ。
彼の狂気的なまでの好奇心が災いし、ドラマシリーズでは何度も奇妙な現象に巻き込まれているのだが、今回も例に違わず奇怪な事件に足を突っ込んでしまう。
だがそこで窮地に陥ろうとも、起点を活かして事態を丸め込んでしまうのが岸辺露伴最大の魅力でもある。事件を完全に解決する………とまではいかないが、最後に露伴が上手く手中に収めていく過程は観ていて爽快極まりない。
そして舞台がヴェネツィアということで、高橋一生扮する岸辺露伴と美しいヴェネツィアの背景がマッチすることで生まれる相乗効果は凄まじい。
露伴が『〜ルーヴルへ行く』にてネイティブばりのフランス語を披露していたのと同様に、今作でも流暢にイタリア語を喋る。ファンからは、原作漫画の第5部『黄金の風』を想起させられるという声も。
https://eiga.com/movie/103179/gallery/36/ 
加えて特筆すべきは、タイトルにもあるようにある男が懺悔室にて告白した「ある懺悔」の奇妙さである。これはドラマシリーズでも『ルーヴルへ行く』でも描写されていた所謂Jホラー的な不気味さであり、これもまた今作独特の雰囲気を際立てている。
「最大の幸福は、最大の不幸を連れてくる」………この言葉の真実を知ったとき、言葉にし難いほどのゾクゾク感に襲われることだろう。
総じて、ドラマシリーズ開始時点で醸し出されていた、数ある少年漫画原作の実写映画の中でも一線を画する雰囲気が、今作でも忠実に再現されていたと言えるだろう。
8位 - 喪失と空虚を乗り越えて。
https://eiga.com/movie/97591/gallery/14/ 
『サンダーボルツ*』
("Thunderbolts* ")
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)からの最新作。「フェーズ5」の最後の映画作品となる。
タイトルにもある「サンダーボルツ」とは、今までヒーローたちと敵対してきたヴィランやダークヒーローたちによって構成された、表沙汰にできないような任務を遂行するチームのことを指す。
とどのつまり、MCU版『スーサイド・スクワッド』ということになる。さすがにあちらほど過激ではないが………
https://eiga.com/movie/97591/gallery/7/ 
今作では様々なキャラクターたちが登場し、『ブラック・ウィドウ』に出演したエレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)にアレクセイ/レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー)、そしてタスクマスター/アントニオ・ドレイコフ(オルガ・キュリレンコ)に、
『アントマン&ワスプ』からエイヴァ/ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)、ドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』からジョン・ウォーカー/USエージェント(ワイアット・ラッセル)、
そして今作のメンバーの中では最古参となるバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)など、豪華俳優陣が集結している。
他にも、『トップガン マーヴェリック』にも出演していたルイス・プルマンが、今作の鍵を握る青年「ボブ」役として出演している。
https://eiga.com/movie/97591/gallery/10/ 
悪の道へ踏み込んだものたちが、果たしてヒーローになれるのか。これまで犯してきた罪の意識、世間からの声………それは、ただの一般人がヒーローになるのと比べて何倍も難しいことだと言える。
だがその過程を描くのが、こうした「アンチヒーロー」映画における一番の魅力とも言い換えることができる。過去の過ちや喪失、それらから成る「空虚」を乗り越えて、ヒーローとして目覚めていく過程は胸熱と呼ぶ他ない。
登場人物のそれぞれが辛い過去を抱えているからこそ、全員が結束して立ち向かっていく姿に心打たれる作品。人によっては『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来の傑作と呼ぶ声も。
そんなチーム「サンダーボルツ」は、当然ながら『アベンジャーズ』最新作である『〜ドゥームズデイ』にも登場することが決定している。今後の彼らの活躍に期待していこう。
7位 - 「最速」その極致へ。
https://eiga.com/movie/103590/gallery/13/ 
『F1/エフワン』
("F1")
モータースポーツの最高峰「フォーミュラ1(通称”F1”)」にて、世界最速のレーサーを目指すスポーツ映画。
ブラッド・ピットが主演、及び製作を務めた。ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデムらも出演。
監督はジョセフ・コシンスキー。今作は『トップガン マーヴェリック』の製作陣が多数集結しており、「地上版トップガン」と銘打たれている。
実際のF1レーサーや解説者など大勢が出演しており、また2023年〜2024年に実際に行われたレースの映像も組み込んでいるなど、再現度という観点においても非常にクオリティが高い。
https://eiga.com/movie/103590/gallery/2/ 
『トップガン マーヴェリック』では、伝説の戦闘機パイロットであるマーヴェリック(トム・クルーズ)が、再び戦闘機に乗り込んで空を駆けた。
今作では、事故により現役を退いたレーサーであるソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)が、弱小チームを救うべくF1レーサーとして復帰、再びハンドルを握った。
戦闘機からレーシングカーのエンジンへ、空の代わりに地を駆け、轟音と共に音速を超えて駆け抜ける。最近のレース映画というと『グランツーリスモ』が記憶に新しいが、F1レースの臨場感という観点では今作の方が上回っているという意見も多い。
そして今作の主人公であるソニー・ヘイズは、確かな腕を持ってはいるものの「現役レーサー」と呼ぶにはやや老いすぎている。
そんなソニーの前に現れたのは、若手の新星であるジョシュア・ピアス。ソニーが再びF1レースに戻ったのもピアスをサポートするため、「最速」の名をほしいままにした彼も、ついにバトンを渡す時が来たのだ………
https://eiga.com/movie/103590/gallery/11/ 
だがソニーは譲らない。ただただ貪欲に「速さ」を求めるソニーという名の男、その目的とはただ一つ「ハンドルを握り走ること」。
マーヴェリックと同じように、ソニーもまた走ることを、飛ぶことをやめない。一見すると傲慢な男のように見えるが、名誉と賞賛を捨ててまでスピードを追い求める姿は言葉を失うほどにカッコいい。
『グラン・プリ』にはじまり、映画界にさながら本場のレースのような衝撃を与え続けてきたレース映画。今作はその歴史に、金字塔とも呼ぶべき新たな伝説を刻んだと言えるだろう。
6位 - 「I need you to trust me, one last time.」
https://eiga.com/movie/102868/gallery/46/ 
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
("Mission: Impossible - The Final Reckoning")
トム・クルーズ主演の大人気アクションシリーズ『ミッション:インポッシブル』最新作。クリストファー・マッカリーが監督と脚本を務める。
2023年公開『~デッド・レコニング』からの直接的な続編にあたり、またシリーズの集大成的な作品という意味合いも持つボリューミーな作品。
シリーズ1作目が公開されたのは1996年、つまり今から約30年も前。そんな長い歴史の集大成と考えると感慨深さを感じてしまう。
https://eiga.com/movie/102868/gallery/3/ 
これまでのシリーズの敵はどれもが大いなる野望を秘めた「人間たち」であり、あの手この手を使ってトム・クルーズ扮するイーサン・ハントを陥れようと画策してきた。
一方今作の敵は、人間ではなくAI。人知を超えた頭脳を持つ超高性能AI「エンティティ」が、核保有国の武器管理システムに侵入しはじめるところから物語が始まる。
もし全ての核保有国がエンティティの手に落ちてしまったら、何百もの核ミサイルが発射され世界は核の炎に焼き尽くされてしまう。
そこでイーサンに課されたミッションとは、エンティティを制御するための端末を72時間以内に入手し、エンティティの暴走を止めること。
だがその端末を手に入れるために、数々の壁がイーサンの前に立ちはだかる。文字通り「不可能」に等しいミッションだ。
それでもイーサンなら何とかできるだろうと思ってしまうのは、やはり30年もの間で培われたある種の安心感によるものなのだろうか。
https://eiga.com/movie/102868/gallery/16/ 
そしてシリーズお馴染みの要素でもある、トム自身によって行われるスタントアクションも見所。ポスターにもなっている、飛行機にしがみつくシーンはCGなしで実際に行っている。
彼の徹底的なまでのアクションへのこだわりは、常に我々観客の想像を超えてくる。最早「狂気的」なまでの執着と呼んでも過言ではないだろう。
実際に飛行機にしがみついてアクションを行った際、トムは何度も気を失いそうになったという。
果たして彼の「狂気」はどこまで続いていくのだろうか………まだまだトムはシリーズを続けていく気だそうなので、気長に待つとしよう。
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