
『モータルコンバット』とは?
『モータルコンバット("Mortal Kombat")』とは、ミッドウェイゲームズによって開発された2D格闘ゲームである。海外での通称は『MK』、日本でも「モーコン」として知られている。
1992年にアーケードゲームとして登場し、最新作『MK1』までにのべ12作品が制作された。外伝を含めると、総作品数は20本以上に及ぶ。
2008年にはスーパーマンやバットマンなど、DCコミックスのキャラクターたちと戦う『Mortal Kombat vs DC Universe』が制作され、それを基にDCコミックス側も『Injustice』という格闘ゲームを開発した。
そんな『MK』の最大の特徴とも呼べるのが「フェイタリティ」と呼ばれる必殺の一撃だ。相手の体力を削り切ると「Finish Him!!」というテロップが表示され、そこで特殊なコマンドを入力するとフェイタリティが発動する。
内容としては兎にも角にも残虐極まりなく、脊髄ごと首を引っこ抜く、身体を真っ二つに引きちぎる、ある種の芸術作品のように全身が細切れになるなど大変グロテスク。しかしながらそのレパートリーはキャラ毎に全く異なっており、かつそのほとんどが実際にあり得ないようなグロ描写であるため、慣れてくれば十分に楽しめるだろう。
このフェイタリティはどのタイトルにも存在しており、シリーズを代表する要素として非常に有名。また映像技術も年々進化し続けており、その影響でゴア表現もより磨きが掛かっている。
https://eiga.com/movie/50135/photo/
また映画作品もいくつか制作されており、1995年にはポール・W・S・アンダーソンの手によって映画化されている。残念ながら続編と共に酷評され制作は頓挫してしまったが、2021年にはリブート版として新たに公開されており、真田広之や浅野忠信など日本人キャストも名を連ねている。
そして6月5日には続編である『モータルコンバット:ネクスト・ラウンド』が公開。主演は『ザ・ボーイズ』でお馴染みカール・アーバン。
さてこの『MK』という作品、オリジナルキャラクターの時点でかなりの数が存在するのだが、それに加えて本記事のタイトルにもあるようにハリウッドで有名なキャラクターたちが多数登場する。
ゲストキャラクターたちが登場するようになったのは『MK9』からで、それ以降の作品では必ず誰かしらが参戦している。登場する作品のジャンルは映画、ドラマ、アニメ、ゲームなど多種多様であり、人体破壊描写をはじめとするややグロテスクな作品(R-15やR-18など)から主に選出されているようだ。
モデリングは勿論のこと、先述した「フェイタリティ」では原作のシーンの再現なども行われている。さらに原作でそのキャラクターを演じた俳優が声を当てているというパターンもあり、より原作再現に磨きがかかっているのである。
当然ながら彼らも負ければ「フェイタリティ」によって見るも無惨に殺される。登場キャラクターの中には人間を遥かに超えた力を持つ者も存在するが、『MK』では皆等しく防御力が一緒らしい。
ありとあらゆる人気作から、様々なキャラクターたちが一つのゲームに一堂に会する様はさながら『スマブラ』そのものである。今回はそんな『MK』のゲストキャラクターたちについて深掘りしていきたいと思う。
フレディ・クルーガー(『エルム街の悪夢』より)
https://www.gamesradar.com/mortal-kombat-breaks-our-brains-by-announcing-freddy-krueger-as-dlc-fighter/
1984年に公開された、ウェス・クレイブンによるホラー映画『エルム街の悪夢』に登場する殺人鬼。DLCのゲストキャラクターのトップバッターとして『MK』の世界に参戦し、大きな話題を呼んだ。
黒い帽子に赤と黒のストライプのセーター、そして庭師手袋についた巨大な爪がトレードマーク。皮膚は全身が焼け爛れており、非常に不気味な見た目。
人々の悪夢の中に現れ、そこでフレディに殺された人物は現実でも死に至る。(作品によって詳細は異なるが)元々は20人以上を殺害した実在した人間であり、殺人罪で逮捕されるも精神不安定だったとされ無罪放免となり、その後遺族の手によって焼死、地獄にて生まれ変わり悪夢を彷徨う殺人鬼と化した。
『MK』では長い爪を活かした素早いコンボ攻撃が特徴的。フェイタリティは2種類存在し、一つは燃え盛る鉄の棺桶に敵を放り込む、もう一つは地面の穴に自分もろとも相手を引き摺り込み、溢れ出る鮮血と共にトドメを刺すというもの。
他のフェイタリティと比べれば直接的な描写が少ない為控えめに感じるが、それでも十分フレディの猟奇性を感じられるものとなっている。
クレイトス(『ゴッド・オブ・ウォー』より)
https://gamerant.com/god-war-ragnarok-mortal-kombat-9-easter-egg-canon/
ギリシャ神話を題材としたバイオレンス・アクションゲーム『ゴッド・オブ・ウォー』の主人公。純白にして筋骨隆々の身体、そして神々との戦いで手にした数々の武器を兼ね備え、その圧倒的な強さから「スパルタの亡霊」と呼ばれる。
映画やドラマなどの映像作品からではなく、ゲームから参戦したという例は後にも先にもクレイトスのみ。
元々は気高き半神の将軍だったが、「戦争の神」ことアレスと契約を交わし、圧倒的な強さを持つ代わりに冷酷無比な性格へ変貌。その過程で自らの妻子を殺めてしまい、それがアレスの仕組んだことだと知るとアレスを含めたオリンポスの神々への復讐を決意。
後のシリーズでは段々丸く収まっていくが初期作における彼は非常に獰猛であり、殺意を常に迸らせながら敵を殲滅する。
フェイタリティでは巨大な剣で相手を一刀両断したり、メドゥーサの頭部で敵を石化させた後に巨大な手甲で粉々に打ち砕くなど、「スパルタの亡霊」に違わぬ容赦のなさを見せつけている。
ジェイソン(『13日の金曜日』より)
https://gamerant.com/mortal-kombat-x-jason-trailer-gameplay/
スラッシャー映画として非常に有名な『13日の金曜日』シリーズに登場する殺人鬼。フルネームは「ジェイソン・ボーヒーズ」。ホッケーマスクとハチェットがトレードマークの巨漢である。
『13日の金曜日』を代表するキャラクターだが、実際には第1作目には登場せず本格的な登場は第2作目からとなる。
元々は気の弱い少年で、周りよりも大きな図体と歪んだ顔からいじめを受けており、クリスタルレイクのほとりのキャンプ場で湖に突き落とされ、そのまま行方不明となった。
事件の解決が有耶無耶になり、これに激昂したジェイソンの母親であるパメラ・ボーヒーズが、キャンプ場を訪れた人々を見境なく襲い始める………というのが第1作目の大まかなあらすじである。
しかしこの時実はジェイソンは生き延びており、母親の死を目の当たりにした彼が母親に次ぐ第二の殺人鬼になっていくというのが第2作目からの展開となる。
『MK』シリーズでは『MKX』にて登場。巨躯とハチェットを活かしたダイナミックな攻撃が特徴であり、フェイタリティではハチェットで何度も相手を斬りつけ真っ二つにする、及び何度も地面に叩きつけてバラバラにするという荒業をやってのけている。
地面に叩きつけられただけで四肢がちぎれるとは、ジェイソンが異常なまでに怪力なのか、或いは『MK』に登場するキャラクターたちが軒並み脆すぎるからなのか………
プレデター(『プレデター』より)
https://www.avpcentral.com/apex-predator
1987年、ジョン・マクティアナン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で制作されたSFアクション映画『プレデター』に登場するクリーチャー。遠い宇宙より飛来した異星人であり、「狩り」を己の生業とする種族。
狩りを行う個体は必ず己の「マスク」を持っており、その他にも高威力・高射程のプラズマ・キャノンや、身体を透明化させるクローキング装置など多種多様な装備を兼ね備えている。
無作為に生物を狩り尽くす恐るべき生物………というわけでもなく、自分より格下の相手は襲わない、自らが強敵だと認めた相手にはマスクを外して一騎打ちを挑むなど、武士道精神にも似た種族の掟を持つ。
『MK』では更なる強者との戦いを求めて参戦。各種ガジェットを駆使した多様な戦い方を行うことができ、フェイタリティでは金属製の円盤を頭部に叩きつけ脳みそを真っ二つにする、プラズマ・キャノンで胸部や腕、頭部を撃ち抜くなど多岐に渡る。
《併せてこちらもどうぞ》
エイリアン(『エイリアン』より)
https://doope.jp/2016/0251569.html
1979年に公開された、SFホラー映画の金字塔として有名な『エイリアン』シリーズに登場するクリーチャー。宇宙船などに潜む恐るべきモンスターであり、遭遇すればそれは死を意味する。
個体としての名は「エイリアン」ではなく「ゼノモーフ」。昆虫的な意匠を感じられる身体に長い尻尾、そして圧倒的な強度と殺傷力を有する「インナーマウス」が特徴であり、加えて血液は強力な酸性であり地面をあっという間に溶かしてしまう。
またエイリアンは生物に寄生し、一定期間が経つと腹の中から幼体が産まれ、それが成長して新たなるエイリアンになるという生態を持つ。今作におけるエイリアンもその設定を引き継いでおり、「バラカ」というキャラクターに寄生した影響で両腕にブレードが生えそろっている。
フェイタリティでは、相手をブレードで串刺しにして持ち上げた後インナーマウスで頭を貫くものと、エイリアンの親玉である「クイーン・エイリアン」を呼び出し相手を引きちぎるというものがある。後者に関しては『エイリアン2』の原作再現となる。
ちなみに『MK』では攻撃された際に血がこれでもかというくらい出るのだが、エイリアンの場合血が出たとしても地面が溶け出すといった描写は見受けられない。まぁこの設定まで忠実に再現されたらどの試合も確実に両者共倒れになるのだが………
《併せてこちらもどうぞ》
レザーフェイス(『悪魔のいけにえ』より)
https://mortalkombat.fandom.com/es/wiki/Leatherface
スラッシャーホラー映画の原点とも呼ばれる『悪魔のいけにえ』に登場するサイコキラー。身長190cmを超える巨漢であり、人の皮を剥いで作ったマスクと巨大なチェーンソーがトレードマーク。
兄弟と共に田舎の寂れた一軒家に住んでおり、偶然通りかかった人々を家の中に連れ込んではチェーンソーで解体し、家具などに加工して生計を立てている。完全にイかれているが、兄弟の仲は比較的良い模様。
知的障害を患っており、一般的な会話は不可能に等しい。フレディやジェイソンとはまた違った「会話の通じなさ」があり、映画公開当時は多くの人々に文字通りトラウマを植え付けた。
『MK』ではチェーンソーを軽々と振り回し、相手を無残に斬り裂く。フェイタリティではチェーンソーを腹に突き刺しそのまま稼働させて相手を真っ二つにするものと、金槌で相手を気絶させた後にワイヤーで吊るし上げてこれまたチェーンソーで相手を一刀両断するものの2種類。例によって、後者は原作シーンの再現である。
ちなみに余談だが、こうして様々な映画キャラクターたちが出揃っている関係上、所謂「ドリームマッチ」的な戦闘を実現することも可能。ジェイソンvsレザーフェイスという殺人鬼同士の戦いや、エイリアンとプレデターを戦わせることで『AVP』を再現することもできるのである。往年の映画ファンであれば胸熱になること間違いなしだろう。
T-800(『ターミネーター』より)
https://www.businessinsider.com/mortal-kombat-11-terminator-t800-arnold-schwarzenegger-kombat-pack-2019-10
ジェームズ・キャメロンによる超人気SF作『ターミネーター』に登場する、超高性能AI「スカイネット」によって生み出されたアンドロイド。原作では「シュワちゃん」でお馴染みアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた。
ゲーム内でのアテレコはシュワちゃん本人ではなくそっくりさんによるもの。ただしキャラクター制作にあたってシュワちゃん本人が指名したとのことで、その再現度はお墨付き。
「ターミネーター」と一口にいってもその種類は多岐に渡り、この「T-800」という個体もまた複数の作品で登場している。やや年老いた容姿から察するに、『MK』で登場するT-800は『ターミネーター:ニュー・フェイト』に登場する個体であると推察される。
戦闘ではショットガンやライフルなどといった武器を用いる他、鋼鉄の身体を活かした捨て身の攻撃を行うことも可能。また見たくれは人間の容姿だが、骨が一部見える演出ではしっかりと金属の骨格(通称:エンドスケルトン)をしている。スキンで骨格が一部見えている状態のカラーリングに変更することも可能。
また特殊な条件下では、皮膚が炎上しエンドスケルトン状態に移行。一定時間攻撃を受けない無敵状態になり、一発逆転を狙うこともできる。この時エンドスケルトンへ変身する際に『ターミネーター』の某有名なBGMが鳴りす為、ファンサービスという意味でも非常に印象的な演出と言える。
フェイタリティは、ハーレーで相手を轢き吹っ飛ばした後にショットガンで撃ち抜くものと、相手の脚の腱を撃って行動不能にした後にポータルを召喚して未来の戦場に送り込み、戦闘中のターミネーターにレーザー銃で撃ち抜かれるものの2種類。
後者における「未来の戦場」が、過去作で度々登場したスカイネットが人類を滅ぼした時の風景そのものであるため、これも原作再現と言えるだろう。
ロボコップ(『ロボコップ』より)
https://blog.playstation.com/2020/05/13/mortal-kombat-11-aftermath-robocop-gameplay-reveal/
ポール・バーホーベンによるSF映画『ロボコップ』に登場する、全身をサイボーグに改造された警察官。本名はアレックス・マーフィ。
マフィアのアジトに忍び込み動向を探っていたところ見つかってしまい、全身を銃で撃ち抜かれ殉職。その後サイボーグに改造され、予め仕込まれたプログラムに従うロボ警官として活躍していたが、次第に生前の記憶がフラッシュバックするようになりやがて完全に記憶を取り戻した。
ゲストキャラクターとしては珍しく、当時ロボコップ役を演じたピーター・ウェラー本人が声優を担当している。声の抑揚が全て当時のまま再現されていたことから、ファンから絶大な評価を得た。
拳銃やショットガン、火炎放射器にブレードなど多彩な武器を用いて戦闘を行う。フェイタリティでは首元をブレードで突き刺した後に銃弾の雨を浴びせたり、爆発性の銃弾を撃ち込み相手を爆散させた後爆風を背に歩き去るなど、無機質なロボコップらしいクールなものへと仕上がっている。
ロボコップvsターミネーターという、80年代を代表するSFアクション映画のアンドロイド同士の夢のバトルを再現することも可能。
ランボー(『ランボー』より)
https://blog.playstation.com/2020/10/08/mortal-kombat-11-ultimate-brings-rain-mileena-and-rambo/
シルヴェスター・スタローンを代表するアクション映画シリーズ『ランボー』の主人公。ベトナム戦争から帰還した兵士であり、ジャングルでのゲリラ戦を得意とする。
こちらもロボコップと同様本人が声を当てており、ファンの求めるランボーを再現するべく製作陣は相当力を入れたそう。
原作通り、ナイフ・ライフル・弓矢・爆弾・その他多種多様なトラップなど様々な武器を用いて戦う。特にトラップを用いて不意を突いたところに強烈な一撃を叩き込むことに長けており、ゲリラ兵士というランボーのキャラクター性を活かした戦法となっている。
フェイタリティは2種類存在し、一つはトラップで相手を串刺しにし首の骨をもぎ取るというもの、もう一つは銃弾付きの電気トラップに相手をひっかけ、その後ナイフで頭を真っ二つにするというもの。前者はシリーズ4作目『ランボー 最後の戦場』で実際に行われたシーンの再現である。











