映画のアレコレ

傑作を生み出し続けた偉人たち。ハリウッドの「名監督」を15人紹介!!

ギレルモ・デル・トロ (Guillermo del Toro)

https://www.latimes.com/espanol/entretenimiento/articulo/2025-08-27/guillermo-del-toro-es-nombrado-director-artistico-del-afi-fest

特殊効果を用いた撮影により、不気味かつ幻想的な世界観を有する映画監督。1964年10月9日生まれ、現在61歳。

10代の頃から映画に傾倒し続け、メキシコの映画学校で特殊メイク・造形について学んだ後29歳頃から本格的に映画監督への道を歩み始める。

『クロノス』『ミミック』『デビルズ・バックボーン』など持ち前の特殊造形技術を活かしたホラー映画を監督した後、ウェズリー・スナイプス主演のヒーロー映画の続編『ブレイド2』を監督。ヒーローアクションとホラーの組み合わせにより一躍人気となった。

2004年には、デル・トロが長らく映像化を夢見ていた『ヘルボーイ』の実写映画を監督。主演を誰にするかなどスタジオと意見が対立したが公開されるや否や大ヒットを記録し、2008年には続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』が公開された。

2006年、摩訶不思議な世界観を描いたダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』を監督。第79回アカデミー賞では6部門ノミネート、撮影賞・美術賞・衣装メイクアップ賞を受賞するなど快挙を果たした。

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続く2008年には『ロード・オブ・ザ・リング』前日譚である『ホビット』シリーズの監督に抜擢される………が、スケジュールの大幅な遅延などが原因で降板。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでも監督を務めたピーター・ジャクソンが引き続き続投し、デル・トロは脚本として参加することになり第1〜3作の脚本を書き上げた。

2013年には、日本では馴染み深い超巨大ロボットと怪獣の戦いを題材にした『パシフィック・リム』を監督。元々デル・トロは日本のアニメを敬愛しており、『パシフィック・リム』は『機動警察パトレイバー』をモチーフに制作された。その他にも押井守や円谷英二、伊藤潤二などから影響を受けている。

そして2017年、少女と怪物の禁断の愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』では、ヴェネツィア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を、ゴールデングローブ賞では監督賞を、アカデミー賞では作品賞を含め複数の部門の受賞を果たすなど快挙を達成した。

ブラッドリー・クーパーケイト・ブランシェットをキャストに招いた『ナイトメア・アリー』を監督した後、ストップモーションアニメーションを用いて制作された『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』をNetflix独占配信の作品として公開。現時点で最新作となる『フランケンシュタイン』もNetflix限定の作品となった。

どの作品においてもダークファンタジーを題材としており、ティム・バートンと同様独立した世界観・作風を確立している監督の1人に数えられている。実写映画からアニメ映画など幅広いジャンルを手がけるが、そのどれもが恐ろしげでどこか美しい特殊造形が際立っている。


《代表作》

『パンズ・ラビリンス』("Pan's labyrinth")

とある不思議な世界に迷い込んだ少女が、様々な出来事に遭遇するダークファンタジー。一見すると単純なファンタジー映画のように思われるがその中身は戦争による悲惨さを描いており、加えて不気味極まりない数々のクリーチャーが登場するなど、ホラーとファンタジーの融合を遺憾無く描写している。


『パシフィック・リム』("Pacific Rim")

世界中を恐怖に陥れる「KAIJU」に対抗するべく作られた、二人一組で操縦する巨大ロボット「イェーガー」の戦いを描いたアクション映画。先述したように『機動警察パトレイバー』をはじめとする日本のロボットアニメから着想を得た作品であり、ロボットとモンスターの重厚な戦いが楽しめる。


『シェイプ・オブ・ウォーター』("The Shape of Water")

研究所の清掃員として働く女性と、施設に囚われた怪物が徐々に惹かれあっていく、異色のダークファンタジー×ラブストーリー。幻想的と呼ぶ他ない演出や、どこまでも真っ直ぐでどこか切ない2人の愛など、映画という垣根を超えた一つの芸術作品と称されることも多い傑作。

クリストファー・ノーラン (Christopher Nolan)

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-features/christopher-nolan-refuses-rule-return-745368/

難解な設定と独自の世界観を両立し、かつ世界的ヒットを記録した作品を数々作り出した映画監督。1970年7月30日生まれ、現在55歳。

1999年『フォロウィング』で映画監督デビュー、2001年『メメント』ではジョナサン・ノーランと共に脚本を書き上げ、時系列を緻密に組み合わせた今までにないストーリー構成が高い評価を獲得し、アカデミー脚本賞にノミネートされた。

『メメント』の成功が功を奏し、2002年にアル・パチーノを主演に迎えた『インソムニア』の監督に抜擢。2005年には『バットマン』新シリーズの第1作『バットマン ビギンズ』を監督した。翌年にはヒュー・ジャックマンクリスチャン・ベールのW主演映画『プレステージ』も監督している。

『バットマン ビギンズ』は興行的にそこまで振るわなかったものの、2008年に公開された続編『ダークナイト』は凄まじい大成功を博す。当時の世界興行収入ランキングで1位に輝いた他、ジョーカーを演じたヒース・レジャー助演男優賞を獲得した(残念ながら受賞された当時にヒースは亡くなってしまっていた)。

その後は制作費が1億ドルを超える超大作を監督するようになり、2010年にはレオナルド・ディカプリオを主演に『インセプション』を監督。2013年には『ダークナイト』の続編にしてシリーズ最終作『ダークナイト ライジング』を監督、「ダークナイト三部作」として映画史に大きな爪痕を残した。

2014年にはSF超大作『インターステラー』を監督。ブラックホールの研究家を制作に招いたことでリアリティのある宇宙の表現に成功しており、現に作中で登場するブラックホールの形は、数年後に実際に発見されたブラックホールとほぼ同様の形状をしていた。またこの頃から、のちにノーラン作品の常連カメラマンとなるホイテ・ヴァン・ホイテマを登用している。

2017年、アメコミやSFといった架空のジャンルから一旦身を引き、自身のキャリアでは初となる歴史モノに挑戦。第二次世界大戦にて行われた大規模撤退作戦「ダイナモ作戦」を描いた『ダンケルク』を監督し、その年で初のアカデミー監督賞ノミネートを果たした。

2020年には『007』を彷彿とさせるスパイアクションと『メメント』のような時系列を遡るストーリーラインを組み合わせたSFアクション映画『TENET テネット』を監督。しかしながら新型コロナウイルスの蔓延により公開日が延期し、映画館の閉鎖及び来館者の減少も相まって興行的には失敗を遂げた。だが今では、ノーラン映画の集大成的作品として絶大な人気を誇っている。

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そして2023年、「原爆の父」として知られるロバート・オッペンハイマーの伝記映画『オッペンハイマー』を、ノーラン映画の常連ことキリアン・マーフィ主演で監督。『ボヘミアン・ラプソディ』を超え伝記映画歴代1位の興行収入を記録し、さらにアカデミー賞では作品賞・監督賞・主演/助演男優賞とほぼ全ての部門を総ナメ。ノーランのキャリアにおいて史上最大となる功績を残した。

現在では最新作『オデュッセイア』が今年9月に公開予定。ホメロスによる同名の叙事詩を原作としており、マット・デイモン主演、トム・ホランドやロバート・パティンソン、アン・ハサウェイら豪華俳優陣が共演する。

CGやVFXを極力使わず、リアリティのある演出や映像を好む。例えば『オッペンハイマー』の核爆発実験(トリニティ実験)では実際に爆弾を爆発させて撮影し、『TENET テネット』の飛行機が空港に突っ込むシーンでは飛行機を買収し建物にぶつけることで撮影している。

またフィルムカメラを好んで使用しており、ほぼすべての映画にてフィルムカメラを用いた撮影を行っている。『オッペンハイマー』の撮影時には、独自の白黒フィルムIMAXカメラを開発し撮影に用いた。

加えて『ダークナイト』での成功をきっかけに、後に続くDCコミックス映画プロデューサーも務めており、DCEUの『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン』『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』にてプロデューサーを担当した。

脚本もほとんどの作品において自らが執筆を行なっており「作家性と大衆性の双方で成功した数少ない監督の一人」として知られている。2000年代以降のハリウッドを象徴する唯一無二の監督と言えるだろう。

《こちらの記事でも詳しく解説しております》


《代表作》

『ダークナイト』("The Dark Knight")

漆黒のマントを纏い正義を執行するバットマンと、狂気的な犯行を繰り返すジョーカーの、ゴッサムシティ全体を巻き込んだ戦いを描いたヒーロー映画。正義と悪の意義を問う、単純な勧善懲悪のヒーロー映画にとどまらないストーリーや、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの人智を超えた狂気的な演技など、アメコミ映画の歴史を一瞬で塗り替えた至高の傑作。


『インターステラー』("Interstellar")

滅亡の危機に瀕する地球を救うべく遠い宇宙へ旅立った父親と、彼の娘が紡ぎ出すを描いたSF映画。アインシュタインの提唱した相対性理論を元にした演出により宇宙の神秘と難解さ、そして恐ろしさを十分に描いている一方で、父と娘の愛情という普遍的なテーマを緻密に組み合わせることで、どのSF映画をも凌駕する完成度を誇る。


『オッペンハイマー』("Oppenheimer")

「原爆の父」ことJ・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画。原子爆弾もとい「核」を己の手で作り出してしまったことによる彼の罪悪感や、文字通り世界が破滅に向かう過程でのオッペンハイマーを取り巻く人々の変化を描いている。クリストファー・ノーランを稀代の巨匠たらしめた究極の作品。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ (Denis Villeneuve)

https://variety.com/2020/film/news/dune-denis-villeneuve-blasts-warner-bros-1234851270/

重厚なサスペンスに壮大なSFなど、多彩なジャンルを手がけるカナダの映画監督。1967年10月3日生まれ、現在58歳。

2000〜2010年の間に監督した『渦』『静かなる叫び』『灼熱の魂』にて多くの賞を受賞し、一気に名を上げる。2013年、ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールが出演する『プリズナーズ』でハリウッドデビュー。

2016年、エイミー・アダムスを主演に迎え、『未知との遭遇』のような「対話」を通じた異星人との交流を描いたSF映画『メッセージ』が、その年のアカデミー賞において作品賞を含む7部門でノミネート、音響編集賞を受賞した。

2017年にはライアン・ゴズリングを主演に、リドリー・スコット監督作『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー2049』を監督。およそ35年ぶりの続編であり、オリジナルと同様SF映画の歴史に変革をもたらした。アカデミー賞では5部門でノミネートされ、撮影賞を受賞した。

そして2021年、かつてデヴィッド・リンチが映像化に挑んだSF小説の超大作『デューン 砂の惑星』を原作とし、新たに映画化した『DUNE/デューン 砂の惑星』を監督。緻密な世界観と壮大すぎる物語を有するが故に映像化は困難とされていたが、公開されるや否やコロナ禍だったのにも関わらず大ヒットを記録した。

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以降は『デューン 砂の惑星』のシリーズ制作に注力することになり、2024年には続編『デューン 砂の惑星 PART2』を監督。前作を超える興行成績を記録し、アカデミー賞では録音賞視覚効果賞を受賞。『スター・ウォーズ』に匹敵するSF映画シリーズの傑作としての地位を確立した。

またヴィルヌーヴが今後監督する予定の作品においても期待が寄せられている。まず特筆すべきは今年公開されるシリーズ三部作を締め括るタイトルである『デューン 砂の惑星 PART3』『デューン 砂漠の救世主』を原作としており、今年最大のヒット作になると予想される『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』と同じ公開日という強気な姿勢を見せつつも、世界中から注目を浴びている最中である。

そしてもう一つ、ヴィルヌーヴは世界的スパイアクション映画『007』シリーズ最新作の監督に抜擢された。新たなるジェームズ・ボンドは無名の俳優からキャスティングすると報じられており、オーディションは今年開催されるとのこと。制作・公開されるのはまだ先になりそうだが、サスペンスとSFアクションを両立させることのできるヴィルヌーヴはまさに最適の人選と言えるだろう。

キャリアとしては比較的最近でありながらも、既にハリウッド随一の巨匠としての地位を築き上げており、今後の監督作に注目が集まっている稀代の監督の一人だ。


《代表作》

『メッセージ』("Arrival")

突如として飛来した正体不明の飛行物体、その中に潜む謎の宇宙人と人類の邂逅を描いたSF映画。テッド・チャン著の『あなたの人生の物語』を原作としており、『未知との遭遇』を彷彿とさせる言語解析を基にした宇宙人との交流を主軸にしつつ、主人公が自身の人生の秘密を知っていく過程を描いている。


『ブレードランナー2049』("Blade Runner 2049")

SFというジャンルに「サイバーパンク」という新たな世界観を生み出した『ブレードランナー』の続編。美しくもどこか陰鬱な雰囲気の漂う世界観を最新の映像技術で描写しつつ、人間とアンドロイドの共存について再び深掘りしている。後に『DUNE』の実写映画化という偉業を果たす、SF映画監督としてのヴィルヌーヴの前身となった映画。


『デューン 砂の惑星 PART2』("Dune: Part Two")

後に「救世主」となるポール・アトレイデスと、銀河を支配するハルコンネン家決戦を描いたSF映画。物語の序章的な立ち位置に過ぎなかった前作と異なり戦闘シーンが多数盛り込まれており、美麗な映像美で描かれるアラキスで繰り広げられる迫力大な戦闘シーンは、多くの映画評論家から「まさに『SW』の再来」とまで称された。

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あとがき(まとめ)

最近暑過ぎて、映画館に行くことすら億劫になってきてしまいました。どうも水綿です。

ここまで読んでくださった方にはもうお分かりでしょう。そうなんです、今回の記事どこをどう見てもボリューミーすぎるんです。ページ数なんか5ページまでいってるし、見出しごとに区切ってるパートも中々に文章量が多いという。

そんなこんなでこの文章の時点で、総文字数がなんと3万字越え。ほんで諸々編集作業とかしてるんですが、現在なんと4万字超え。そんじょそこらの論文よりも長いっていう。この文章量を超える記事が果たして今後現れるのかどうか、、、

これにはいくつか理由がありまして。まず第一に書いてて楽しかったってことですね。ずっと取り上げたかったジャンルですし、基本的な文章の内容はWikipediaを参照しているとはいえど自分の文章でまとめるのは思いの外楽しかったのでございます。

第二にサムネイルですね。書いてる最中何回も思ったんですよ、これ絶対複数回の記事に分けて書くべきじゃないかと。けどその度に手作りしたサムネイルが目に入ってくるわけです。

何を隠そうサムネイルには既に15人の顔ぶれが揃っていまして。これで複数回に分けて記事を書くとなると折角作ったサムネイルが作り直しになってしまうと。それだけは個人的にどうしても腑に落ちなかったのであります。

なので15人をそれぞれじっくりと紹介するという暴挙に出てしまいました。人数が多いからそれぞれさらっと紹介する程度でも良かったかなーなんて今更ながら思いましたが、まぁ、時既に遅しというやつでございます。

てなわけでここまで読んでくださった方、もしいらっしゃいましたら筆者から多大なる感謝を申し上げたいなと存じます。本当にありがとうございます。

ただでさえボリュームが凄い記事なのに、あとがきでまたダラダラと書いていてもしょうがないですよね、と、いうわけで今回はこの辺で。

それではまた、次の映画にて。